女優の私が推しの彼女はじめました 2 (ページ39)

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俺の気持ちページ39

慎太郎SIDE

朝。起きると横でAが眠っていた。

『おはよ』

眠っているAにそういって立ち上がった俺。
Aがムリしてしまうことわかってるから。
俺はAの“大丈夫”をあてにしない。
“大丈夫”も“大丈夫じゃない”もしっかり受け止めたい
大丈夫じゃないことわかってるのに“大丈夫？”って
問いかける弱い俺。

昨日。Aの横に座った時。
SMSの内容が見えたんだ。
別に見たくて見たわけじゃない。
ただ目に入ってしまった。
多分あの文面は元カレなんだろう。
気づかれたくないはずだから気付かないふりをした。
《会いたい》の文字が頭から離れなくて。
Aはそれになんて返すのだろう。

俺はまだ完璧にAの1番だって言える自信はない
元カレにあってしまえば俺の上に
元カレが上書きされるんじゃないかって思ってる。
Aの事を名前と顔しか知らない男は怖くない。
だけどAの全てを知ってるような気がする
元カレが俺にとってただただ怖い存在だった。
俺よりAを深く知ってて
俺よりAと一緒にいる時間が長い
元カレに勝てる自信が俺にはまだなかった。
だからあの文面に気づいても
“会いに行ってこい！”って送り出す勇気もなくて。
ただAが出す答えを待つことしか出来なかった。

俺って。弱いなって思う。
あの文面見てからなんか晴れなくて。
Aが裏切らないってわかってるのに
もしかしたらヨリを戻すかもしれないって思ってる
俺は多分Aに裏切られるのが怖いんじゃなくて
Aを失うことが怖いんだろうなって思う。