▹▸25. ページ25
*
『あ、あの、不破くん見ましたか』
「ふわっち?見てないよ〜?」
『そ…そうですか、ありがとうございます』
放課後、すぐ教室から出ていってしまった不破くんを追いかけたのだけど、途中で見失ってしまった
下駄箱に靴あったから、まだ帰ってはないんだけど…
不破くんを探してる途中で、叶さんを発見したのですぐさま呼び止めた
そういえば叶さんは文化祭ぶりだなぁ…って頭の片隅で呑気な事を考える
「…んふふ、ふわっちに必死だね」
え?と叶さんの顔を見上げると、ニコリと笑った叶さんがミルクティ色の髪を揺らした
途端、ズイッと私に近づいた叶さん
キスしそうな距離
『なっ、』
「動かないで」
そう言って叶さんは私の腰を掴んだ
まるで逃げないでね、って言ってるように
随分整った顔が目いっぱいに広がって恥ずかしくなる
動かないでって…こんなの誰かに見られたら、
「なにしてるん」
後ろから聞こえたずっと探してた声
あッ、やばい
直感でそう思った
不破くんの声は少し怒りを含んでいて
待って、
違う、
『待っ、不破くん、』
「グズグズしてるとこうなるよ」
「…かなかな、また後で。行こ、Aちゃん」
叶さんがボソッと不破くんに耳打ちした
でも微かに聞こえた、"グズグズしてるとこうなるよ"って
聞き間違いかもしれないけど…
私は見てることしか出来なくて、
『?なんの話し、わぁッ、』
私の手を掴んだ不破くんは叶さんを置いて歩き出してしまった
そうえば、叶さん。焦りもせずずっとニコニコしてたな、
「あッ、ごめん、手、ずっと掴んどった」
『いいよ、そんなことより、私、べつに叶さんとはなんともないから、』
「にゃは、分かっとるよ、けどちょっと焦ったんよな…」
久しぶりにちゃんと話した気がする
安心するこの声、ずっと聞きたかった
「ごめん、情けんなぁ。ずっと避けとった、」
『いいよ、最初嫌われたのかと思った』
冗談っぽく言うと、ガチトーンでごめんって眉を下げられたので慌てて冗談だよ、って訂正する
その時、私不破くんに用があったんだ、と思い出した
『あのね、私不破くんに伝えなきゃいけない事があるの』
*
1161人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しき(プロフ) - まじで更新ありがとうございます!!!!!! (2023年1月9日 17時) (レス) @page22 id: a69f66229b (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわたつのり(プロフ) - あこさん» ありがとうございます……!!!確かに普通に勘違いしちゃいますね…!!どっかに書いとこうかな… (2022年11月7日 19時) (レス) id: 66204f4837 (このIDを非表示/違反報告)
あこ - あ、年齢フラグってやっぱバグ?ですよね!そういう展開になるのかと思った…あと何故か読んでも見たもの履歴上に行かないんですよね…厄災?(ごめんなさいいい忘れてましたがめっちゃこの話好きです。待ってます〜 (2022年10月29日 14時) (レス) @page20 id: d7fb7616a3 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわたつのり(プロフ) - 私の小説ってなんか年齢フラグたつようなとこありました…??全然解除されないんですけど…とほほ… (2022年10月14日 19時) (レス) @page20 id: 66204f4837 (このIDを非表示/違反報告)
ふわふわたつのり(プロフ) - お気に入り1000人いった…!!!!!わーい!!!ありがとうございますー!!!! (2022年10月12日 8時) (レス) id: 66204f4837 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふわふわたつのり | 作成日時:2022年9月3日 13時