生まれ変わってまた君と 2《加藤シゲアキ》

fifty four time ページ6

問題は加藤さんと正木大翔…

特に正木さんは忘存在自体を忘れてた…

言うべきかな…

言ったらみんな離れるかな…

人殺しで、兄弟を家から追い出して、いとこも間接的に傷つけて…

みんな、本当に優しいから、

大丈夫だよって言ってくれてるけど…

私がどれだけ酷いことをしたかは自分でもよくわかる。

私、こんなので大丈夫なのかな…

こんな話を聞いたから、お父様とお母様に会うのも気まずい…

というか、お父様とお母様じゃないのかな…

他人、なんだもんね。

それに、いつまで悠さんって呼ぶんだろ…

本当の名前で呼んだ方がいいよね？

こーいう時どうしたらいいんだろ…

真依ちゃんに聞きたいけど…

私の悪い癖が出ちゃう。

頼れる人がいたら、甘えてしまう私の悪い癖。

だから一人で解決しなきゃ。

元々私の問題なんだから。

甘えてちゃダメだよね…

→→→→→

慶徳大学一般入試。

ついに受験。

慶「うわぁ…緊張する…」

『大丈夫だよ。今まで頑張ってきたじゃない』

慶「…だよね！こんなに応援してくれたのに、受からなきゃだよね！」

『頑張って！ずっとここにいるから！』

慶「ダメだって！今日、今年一番寒い日なんだよ！」

『大丈夫！応援したいから！』

慶「でも…」

『ほら！私はこの高い良いコート着てるから大丈夫！』

慶「ありがとう。心強いよ」

→→→→→

送り出せた…

今日は車で来てないからこの氷点下の寒さはきつい。

でもこの数日間、そばにいてもらえることがどれだけ嬉しくてありがたいことがよくわかった。

だから、私もお節介かもしれないけど恩返しがしたい。

試験が終わったら全部話そう。

→→→→→

寒くて死にそう…

足がガタガタしてる…

こんな日に40デニールのタイツは間違いだったのかな…

慶「終わったぁ〜！」

『もう終わったの！？全然気が付かなかった…』

慶「ちょ、本当にずっとここにいたの！？やばいって！風邪ひいてるよ絶対！」

『大丈夫だって〜』

慶「しょーがないなぁ…病院行こ？」

『風邪ひいてないよ？』

慶「何言ってんの風邪ひいてるじゃん」

『え？』

慶「顔色良くないじゃん。俺さ、見ただけでわかるんだー」

『へぇ…あてになるの？』

慶「なるって！病院すぐそこじゃん！」

そうして無理やり連行。

悠「この寒い日に何時間も外で待って風邪。バカだねぇ…」

『だって…』

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