異種恋愛【ポケモン】【短編集】

鎖【ジャローダ】 ページ10

夢主視点
ボックスに預けているポケモンとも遊ぼうと、手持ちを入れ替えワイルドエリアにテントをはる。


『出てきて！』
投げた4つのモンスターボールからは、ジュカイン、ゼニガメ、ヘイガニ、ジャローダが飛び出し久しぶりの外で少しはしゃいでいる。


『カレー作るから、テントの見える範囲で遊んでて良いよ！』
すぐにヘイガニとゼニガメは嬉しそうに湖の方へ行き、保護者のようなジュカインが湖の近くにある木陰に入る。


『(さて、木の実を切…)ジャローダ、行かなくていいの？』
私の横で遊びに行く皆を見ていたジャローダに聞くと、鋭い目で見られたあとカレー鍋の前へ移動する。


『手伝ってくれるの？ありがとう！ええっと……薪を拾ってきて！』
手伝いという単語に反応したのを確認し、ジャローダもできる薪拾いをやってもらう。


それから、テーブルを組み立てて木の実を1口サイズに切っていく。今日はオレンの実6:マゴの実4の割合で比較的甘めのカレーを作る。


トッピングはエンジンシティで買った、新鮮クリームを胡椒で少しスパイシーに仕上げたホイップ。


ジャローダのお陰で夜の分まである薪を使い、煮込んでいると耳に入ってくるのは楽しそうに遊ぶゼニガメとヘイガニ達の声。


『ジャローダはいつも一緒に居るけど…暇じゃないの？』
そう聞くが、ジャローダは傍で丸くなり昼寝をしているようで反応がない。


『(ずっとボックスの中だったから、寂しいのかな…？)』
そんな事を考えていると大きくなっていた火に気づかず、鍋をかき混ぜていた時に謝ってはみ出していた火で手を軽く炙ってしまう。


『ｯｯｯ！！』
熱さと痛みに驚き、手をお玉から外して傍にあったバケツの水へ手を突っ込む。その時、引っ掛かったのか鍋が倒れそうになるが、そばに居たジャローダのおかげで鍋が火から下ろされ、火傷せずにすむ。


『あり、がとう。ごめんね、よそ見しちゃって…』
先程よりも鋭く、冷たい視線にいたたまれなくなり謝るが、火傷の痛みで涙目になってしまう。


すると、ジャローダはツルのムチで傍にあった薬草を摘み、その薬草で草の鎖を作ると冷やすためにバケツに入っている私の手に填める。


すると、薬草の成分が水に溶け、痛みがひいていく。



『ありがとう…ジャローダ…』



この時、優しさから手当をしてくれたのがだと思ったが…
本当は、自分の付けた傷以外を見たくないという欲望の為だからであった

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