異種恋愛【ポケモン】【短編集】

お姫様【ジュカイン】 ページ18

ジュカイン視点
縄張りとするジャングルをジュプトルたちと駆け抜け、自身の力を高めるために鍛錬をつむ。


『痛たたた…』
【！お前たちは先にいけ】


途中、人間の間で人気になっている滝の近くで足に怪我を負った人の子を見つける。このまま放っておき、悪化したり他のポケモンに襲われても困ると思い、ジュプトルたちを先に行かせ人の子の元へ行く。


『何でこんな所に罠が…？！』


人の子は他の人間が仕掛けていた罠で足を挟まれ、鮮血を流し歩けない状態で座り込んでいた。すぐに俺の気配に気づき、俺の姿を確認すると警戒し始める。


(人間が人間の罠に嵌るとは…)


ゆっくりと近づき、罠を取り外したあと人の子の足に伝う鮮血を舐め取り、近くにあった大きめの薬草の葉とそばに居たナゾノクサに出してもらった蔓で手当てをする。


その間、人の子は大人しく俺の手当てを見ていて甘く感じる鮮血を舐めとった時、少し恥ずかしそうに頬を染める。


『あり、がとう…優しいね』
(どこか不思議な人な子だ…この地に伝わるの姫のようだな…)


この地には昔からポケモンに愛され、ポケモンを統べる姫が現れると伝えられており、その姫の流す血は甘美なもので、その姫と一目視線を交えさせれば姫の虜となる…


今、目の前にいる人の子に全て一致する…そして、心奥からこの人の子が欲しいと思ってしまう。


『手当してくれて助かったわ。少し行けば知人もいるから、また会えたらお礼をさせてね』
(俺が仕えるべきは…)


手当てを終えたのを確認した人の子は、その場を去ろうとするが俺は気づかれぬようについて行き、途中で会ったジュプトルたちに俺の意思を伝え人の子の気付かぬ間にボールに入り込む。


あぁ、やはり俺の使えるべき主は、姫は…ここに来てくれたのか…



一生、仕えましょう。A様…



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