異種恋愛【ポケモン】【短編集】

闇の中【ゾロアーク】リク作品 ページ16

夢主視点
『迷っちゃった…(何でテントにモンスターボール置いてきちゃったんだろ…)』


…只今、夜の森で迷子です。
事の始まりは約半日前…ダンデさんからのプレゼントでヨロイ島へ遊びに行く事になり、駅へたどり着いたのはいいんだけど…


間違って反対側に停車してた長距離電車に乗ってしまい、着いたのは何とイッシュ地方。しかも、街もない田舎…


知り合いも居ないし、土地勘もないまま取り敢えず1泊しようと近くの森の湖畔でキャンプを決め、ポケモン達をテントの周りに出してお留守番させて、一人で森へ探索という名の薪拾いに…


そして、そのまま迷ってしまい日が暮れて辺りは真っ暗。スマホロトムは圏外+充電が残り10％…今日はとことんついてない…


(多分、インテレオンやゲッコウガ辺りは探してくれてるだろうから…下手に動かない方が良いよね？)


普段から私の親のように動いているポケモン達のことも考え、動かずに近くの木の下で座って待つことに。


『(エナジーバーと水はあるから…空腹は満たせるかな？それにしても…)寒いっ…』


元々は暑い島に行く予定だったので、上着も薄くイッシュの気候に合わない服装だった。


『(せめて1匹でも連れてくればよかったな…)っ！』


寂しさと寒さに体を丸めさせていると、近くの茂みが動き大きなポケモンの影が出てくる。


(襲われたらどうしよう！？)


手持ちもなく、自分の背丈よりも大きい影に息を潜めて身体を震わせていると、影は真っ直ぐ私の所へ来て雲から出た月の光に照らされ、私もその大型のポケモンも丸見えになってしまう。


(に、逃げなきゃ……)
【……】


逃げようと身体を動かそうとすると、黒い体に赤い毛を持つポケモンの青い瞳に囚われたような感覚になり、動けなくなる。


更に恐怖で涙が出そうになってくると、そのポケモンの姿が突然 変わり、先程の雰囲気とは真反対のチルタリスになる。


最初は目を疑い、夜の森という怖さからチルタリスを勝手に恐いポケモンに変えてしまったのかと考え、1度 自身を落ち着かせる。


そうしていると、チルタリスが私を包むように隣に伏せもふもふした羽毛で私の肌を隠していく。


『(この子…)ありがとう、チルタリス……』


もふもふと安心感から、私は意識を失ってしまった……

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