異種恋愛【ポケモン】【短編集】

伝説【レシラム】リク作品 ページ11

レシラム視点
私を手に入れようとする人間たちを適当にあしらい、休むために見つけた小さい湖畔へと降り影へと隠れる。


(あの人間…変わったものを使っていたな…)
私を見つけて直ぐに何かを投げつけてきた人間がいたが、その人間もポケモンを出す前に吹き飛ばし投げられたものも取らずいたが…


よく見ると毒針のついた網のようで、少ししか効果はないと言っても絡みついている足は青く変色しているように見える。


(これだから人間は好かん…む？)


足の様子を見ていると、1人分の人間の気配とともに数匹のポケモンの気配が近づいている事に気づき、顔を上げる。


『今日はここでキャンプかなぁ…バシャーモ、焚き火を頼んでいい？インテレオンとゲッコウガは…って、言う前にテントやってる…』


不思議な甘い香りを漂わせ、周りのこの地方には珍しいと思われるポケモンたちから求愛をされている人間の女……


なぜか他の人間とは違うように見え、甘い香りにつられるようにして少し木陰から顔を出す。


『あれ…？大丈夫！？顔色が……!!』
(この娘…私の事をしらないのか…好都合か)


焚き火の薪を拾いに来たのだろう娘はすぐ私に気づき、毒の効果が表情にも出ていたのか傍に駆け寄り頭を軽く撫でてくる。


『これ、毒針がついてる…誰がこんなこと…待ってて、すぐにとるから！』
(なんと優しい娘…まだ人間の中にもこんな純粋な人間が居たとは…)


娘は身につけていた袋から何か取り出し、その中身であろう液体を足元へあみと一緒に吹きかけ、針に気をつけながら網を取り払っていく。


『痛くない？大丈夫？……ほら、取れた！』
丁寧にやったお陰ですぐに取れ、針が中に残るということも無く毒も良くなっていく感覚がしてくる。


『毒消しを使ったから、直ぐに治るけど…これを巻いておかないとバイ菌が入っちゃうから、怪我が塞がるまで破かないでね？』


少し染みる液をかけた後、白い布を巻きまた頭を撫でながら笑いかけてくる。


【ありがとう、人の子よ。感謝する】
娘が少し離れたのを確認し、立ち上がり礼を述べると驚いた顔をした娘がすぐに笑顔を浮かべコクコクと頷く。


少し離れて見ていたポケモンたちに目配せをしたあと、飛び立ち湖畔から離れる。


(また逢おうぞ…Aよ…)


ポケモンたちが呟いていた娘の名を最後に呼び、大空へかけていく。



これはまだ、出会いのひとつ……



リクありがとうございました！

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