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ページ35

「君がなぜ女人を弱く脆いものと認識しているかは知らんが、俺には理解できない。俺の知る中で弱い女人なんていないぞ。その中でも…母は強かった。病で床伏せていたが、最期まで美しく聡明だった」


杏寿郎さんの言葉に耳を傾ける。まるで、時が止まっているかのように静かだ。猗窩座が止まっている理由はわからないが、恐らく思うところがあるのだろう。過去に何かあるのか…。


「Aも強いぞ。俺を守りたいという一心で、君に斬りかかった。そんなAが弱いものか」

「杏寿郎さん…!」

「君が見てきた女人は弱かったのかもしれないが、俺のいる鬼殺隊に弱い者は一人もいない。残念だが、君の考えを理解するのは無理だろう」


杏寿郎さんの言葉に涙が溢れた。そうだ、弱気になっちゃダメだ。私は裏柱…裏で他の柱を支える役割をお館様から与えられた。弱音を吐いて、他の人の足を引っ張ってるようじゃ…柱失格だ。

頭上から感じる気配に、猗窩座の怒りの気配が加わった。どうやら、杏寿郎さんの言葉の何かが癪に障ったらしい。私の脇腹を抉った右腕を再び構えた。それを見た私は、冷静に深く呼吸をする。


月の呼吸、壱ノ型 三日月


猗窩座の右腕を斬り落とし、そのまま左腕も斬り落とした。完全に私の心が折れたと油断したのだろう。再び攻撃を仕掛けた私を見て、猗窩座は顔を歪めた。その悔しげな表情を見て、私は笑みを浮かべる。


「あら、鬼は油断しやすいんですね。鬼舞辻も私が反撃しないと高を括って、油断して…私から一撃喰らってましたもんね。鬼は…案外ちょろい生き物なんでしょうか?」

「…貴様、"あの方"を侮辱することは許さん」


猗窩座が再生した腕で私を攻撃しようとしたが、杏寿郎さんが溜めていた煉獄で両腕切り落とされていた。猗窩座の両腕今日よく斬り落とされるな。私はその隙に避難しました。そこで、空が明るくなってきたことに気付いた。

私はいまだに杏寿郎さんと睨み合っている猗窩座を見て、にっこりと笑みを深くした。


「猗窩座さん、でしたか?空が明るくなってきましたねぇ。…尻尾巻いて逃げなくていいんですか?」


猗窩座が弾かれたように空を見る。どうやら怒りで視界が狭まっていたらしい。…まだ頸を斬らないのかって?まず第一に、負傷している私と杏寿郎さんじゃ倒せる可能性は五分。第二に、無限城での水の呼吸兄弟弟子の共闘は実現させたい。

猗窩座は悔しそうに舌打ちをし、私たちに背を向け森へと去って行った。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生トリップ   
作品ジャンル:アニメ
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なぎ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます…‼ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: c7ded9271f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新待ってます…応援しています!頑張ってください!! (2022年5月25日 23時) (レス) @page42 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
しらこのり - 更新ずっと待ってます 再開して欲しい… (2022年1月15日 11時) (レス) id: 573692b408 (このIDを非表示/違反報告)
人類のようなナニカ - コメント失礼します。この作品本当に大好きで、読み進めるのが楽しくて楽しくて仕方がないです!応援しています!!!!更新頑張って下さい! (2022年1月7日 19時) (レス) @page42 id: 60efa73c00 (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 投稿楽しみにしてます! (2021年12月31日 18時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月20日 14時

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