湯煙大騒動⓷ ページ12
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迫る鐵腸さんの表情には、誰でも察することができるくらいの嫉妬の念が篭っている。
しかしそれは時折あることだとして(耐えられないくらい恥ずかしいけど)、今の状況は普段より不味いのだ。
互いに真っ裸。
熱い温泉と肌寒い秋の空気によって、尋常じゃない湯煙の発生が唯一の、そして心許なく肌を隠してくれているものになっている。
胸の部分はなんとか腕で隠しているが、鐵腸さんにこのまま襲われるようなことでもあれば、いくら《猟犬》部隊の一員である私でも最強の剣士には勝てない。
ここで返す言葉によって、私の命運が決まるのだ。
「な…なんにもっ、されてない…筈、ですよ…？」
「……。」
私が取った選択とは、なんとか気を立たせないように嘘をつくことだった。
しかし鐵腸さんはそんな私を見て、なんとも怪訝そうな顔で顰蹙させた。
「横抱きされていたことに関しても、同じことが言えるか？」
「うっ…」
熱い温泉に浸かっているというのに、顔が青ざめて身震いをする。
そうか、昨日それを目撃した鐵腸さんが条野さんに決闘を申し込んでいたんだった。
私はめちゃくちゃ浅はかな選択をしていたらしい。
(そもそも嘘が下手な性分である。)
これはより不味い方向に進んでいるのでは？そう考えた時にはもう遅かった。
「ひゃぃ？！」
鐵腸さんが私の両肩を逃さまいと掴む。
無骨で大きな手が冷たい空気に一瞬でも晒されたことで、掴まれた両肩から全身にかけて震えが走った。
同時に全身に湯を浴びて艶々とした色気を感じさせるような、普段と違う鐵腸さんを直視することで、心臓の鼓動がパンクするくらい動いている。
「……A、教えてくれ」
「っ…！」
いかにも接吻寸前の距離。
私は死を覚悟する思いでギュッと目を瞑った。
その瞬間、
「いやぁ〜〜！！早起きして良い温泉に入り直すとはなんとも贅た、く…な……」
「隊長、そんな大声で感嘆されてはうるさ…。……は？」
『……』
あんなにも開けられなかった筈の、風呂の戸が外部の存在によって呆気なく開かれてしまった。
私たちの存在に気づいて立ち尽くす条野さん。
私たちの存在に気づいて声を上げる前に、条野さんによって目潰しされて悶絶する隊長。
硬直したままの鐵腸さんと私。
そうして、私は解放され湯煙大騒動は幕を閉じたのだった。
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
