明日も空は青く綺麗で[きっくん]

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「な、大丈夫…?」

焦り顔でアワアワしているきっくん。
多分、私の堪えている涙を見て心配してくれているんだろう。

『大丈夫、…ｯ』
駄目だ。

「あ、えっとね、俺は菊地直也だよ。きっくんて呼んで」
へにゃ、と無邪気な笑顔を見せてくるきっくん。

知ってる。
知ってるの。私は。

でも、ごめんなさい。
今はまだ、話したら貴方が混乱するだけ。
だから、真実は言わない。

変わらない無邪気な笑顔も、喋り方も。
聞くと、見ると。
何よりも辛くなる。

堪えていたはずなのに。
大丈夫、なんて嘘、直ぐバレてしまうのに。

『…ｯ、ごめんなさい、また、来るから』

「え、ちょっと!!Aちゃん…!?」


見られた、だろうか。
貴方に、私の涙が。

まだ私のことを、Aと呼んでくれていた貴方が。
一度、拭ってくれた涙が。






＊＊＊






…何だったんだろ。あのAって子。
何で泣いてんの。
何で無理に堪えて、嘘ついて。

何かを隠そうとしてんの。

「…意味分かんねぇよ」

なんか、モヤモヤする。
気持ち悪い。

俺は、Aちゃんの事を考えて、ずっと悩んでいた。

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