明日も空は青く綺麗で[きっくん]

42話 ページ47

『…ぇ?』


意味が分からなくて、数回瞬きをする。
溢れた涙はきっくんの指をつたっていく。


きっくんは小さく笑ってから、大丈夫?と聞いてくる。

『え、だいじょぶ、なんだけど……
その、さっきのきっくんの言葉の意味…分かんなくて…』

ごめんね、と続けて言う。

「うーん…、簡単に言うと…まぁそのままなんだけどね
俺がAを好きになって良いの?」


『そ、それの意味が分かんないの!!
その、好かれた事とか…無いから…』

なんだか母さんとお兄ちゃんの事を思い出して、悲しくなる。

「えーっとね、颯汰みたいにお兄ちゃんって思ってくれても良いんだけど…」

うーん、と唸って考えているきっくん。


「多分一緒にいればいつかは分かるでしょ!!!!好き嫌いくらい!!!!」

適当だった。


『……たくさん迷惑かけると思うよ?』

「大丈夫!!!!」

『きっくんが危ない時もあると思うよ?』

「おう!!!!」

『…なんで、そんなに優しくしてくれるの…』


きっくんの明るい笑顔に、またポロポロと涙が落ちた。

「多分それは……、俺がAの事好きだから」


優しい笑顔。
ぎゅっと抱きしめられて、あったかくて、優しい。


この人を、信じてみたいと思った。

一緒にいたいと思った。

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