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41話 ページ46

「…ふぅ」

やっと寝てくれた。
ずっとヤダヤダ言ってたけど、最終的に力尽きて寝てしまったらしく。


ベッドはAが使ってるし、何処で寝ようか。


…なんとなく寝る前の不安な表情が気になって、近くにあるソファに横になった。

それからは直ぐに寝てしまったと思う。









________

…痛い

怖い

寂しい…ッ


一人は嫌だ、嫌だよ

私を愛してくれる人がいればどんなに良いだろう






お前を愛してくれる奴なんているわけない

母親と一緒に死ねば良かったのに

父親にあのまま殺されてれば良かったのに


早く死んでしまえ






…ごめんなさい


__________








…?
何かの音がして目を覚ます。

時計を見ても、あまり時間は経っていない。


音がする方を見ると、ベッドからだった。
音と言うより、声。

「…A?」


少し近寄ると、声も比例して少し大きくなる。


『ごめ、やだ…ッごめんなさ、い……怖い、ごめんなさい…ッ』

ベッドまで行くと、ポロポロと涙を流しながら、何かに脅えるような声を出すAが見えた。


「…え、A、どうした…?大丈夫か…?」

慌ててAを揺らすと、小さく短い悲鳴を出して起きる。

『………?き、くん…?』

驚いたような、脅えたような目で俺を見る。

「うん、…大丈夫?」

Aのポロポロと落ちる涙を拭いながら、聞く。


『きっくん…ッ!!!!』

名前を呼ばれたと思うと、また大粒の涙を溢しながら俺に抱きついてくる。
俺は少しバランスを崩しながら、受け止める。

「……ん、怖い夢でも見た?」

優しく問いかけると、Aは腕の中で首を縦に振る。

「…そっか、大丈夫だよ」

ポンポンと頭を撫でていると、小さい声が聞こえてきた。

『色んな人に、ね…ッ、要らないとか、早く死ね、とかね、言われるの…ッ』

嗚咽を漏らしながら言う姿を、引き止めてしまうのも、せっかく本人が話してくれているのに、と考える。

「…うん」

俺に出来る事は、静かに話を聞くだけだと感じ、小さく相槌を打つ。

『ずっと、一人だって、誰かが言ってきてね…?』

少し間を開けてから声が聞こえる。

『また一人になるのは、やだよ…ッ』

さっきよりも、小さい声が続けて響く。



『…誰かに、愛してもらいたい…ッ』


その時俺は、この子を一人にしちゃいけないと思った。
俺が愛してあげたいと思った。



「その誰かに、俺、なって良いの?」

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設定タグ:MSSP , 実況者 , きっくん   
作品ジャンル:恋愛
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ふらっち(プロフ) - うずらさん» 両思いやんクソうれぴよ。ピブー( ˇωˇ ) (2017年7月10日 19時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ふらっちさん» 両思いだ(´・ω・`)やった(´・ω・`)(謎のテンション) (2017年7月10日 18時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» ありがとうございます…( ˇωˇ )お友達なりましょ…??( ˇωˇ )好きです…( ˇωˇ ) (2017年7月10日 15時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - めっさ面白い……(´・ω・`)作者さんとお友達になりたい(´・ω・`)すき(´・ω・`) (2017年7月10日 9時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - なーやさん» 読んで下さったんですか!?ありがとうございます…!!更新頑張りますね!! (2017年3月27日 16時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふらっち | 作成日時:2017年3月22日 18時

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