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重い瞼を無理矢理持ち上げる。
目の前にはあの人の顔。
私の、大嫌いな。
{A、おいで}
私の嫌いな声。
あの人の手が伸びて、私の首を掴む。
『…嫌…ッ』
苦しい
助けて
{お前のせいでアイツも…ッ俺も!!!!
お前のせいなんだよ…ッ!!!!}
助けて
ごめんなさい
聞きたくない
見たくない
[…ッ、もうやめてよ!!父さん!!!!]
{煩いッ!!!!お前だってそうだ!!!!この役たたずが!!!!}
お兄ちゃんが蹴られる
私は強く首を締められる
私の、私たちの父さんは、いつから壊れてしまったのか。
父さんが、お兄ちゃんに包丁の刃先を当てる。
やめて
父さんは、私から母さんも…、お兄ちゃんも奪うの?
息が、出来ない。
怖い
[Aッ!!]
『…ッ!?、おに、ちゃ…?』
目を開けると、お兄ちゃんが心配そうに顔を覗き込んでいた。
[良かった…、魘されてたから。大丈夫か?]
『……お兄ちゃん…ッ、とう、さん、が…ッ』
[…A、大丈夫。父さんは此処にはいないよ。大丈夫…]
お兄ちゃんが私を抱きしめて、そう言う。
優しく、落ち着く声。
『…、う、ん……、夢で、見ちゃって…
…あれ、キヨは…?』
[…そっか。大丈夫だよ、キヨも此処にはいない]
『……そっか』
静かな空間の中、いきなりお兄ちゃんが、あっ、と呟く。
[きっくんが心配してたよ。俺は実況撮りに家帰るけど…。落ち着いたら電話してあげて?]
『…?きっくん、さっきの、キヨとの事知ってるの?』
[いや、詳しくは知らないけど、嫌な予感がしたらしくてね。それで俺が急いでAの家来たの。何かあったんじゃないかって心配してたんだよ]
きっくん…すぎょい…
『うん、分かった。ありがと、お兄ちゃん』
[いーえ。じゃあ…俺は行くね]
そう言って、お兄ちゃんは出ていった。
しん、と静まり返る部屋の中。
何だか悲しくなってきて。
怖くて、寂しくて。
『電話、しよ』
私は携帯を手に取った。
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ふらっち(プロフ) - うずらさん» 両思いやんクソうれぴよ。ピブー( ˇωˇ ) (2017年7月10日 19時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ふらっちさん» 両思いだ(´・ω・`)やった(´・ω・`)(謎のテンション) (2017年7月10日 18時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - うずらさん» ありがとうございます…( ˇωˇ )お友達なりましょ…??( ˇωˇ )好きです…( ˇωˇ ) (2017年7月10日 15時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - めっさ面白い……(´・ω・`)作者さんとお友達になりたい(´・ω・`)すき(´・ω・`) (2017年7月10日 9時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
ふらっち(プロフ) - なーやさん» 読んで下さったんですか!?ありがとうございます…!!更新頑張りますね!! (2017年3月27日 16時) (レス) id: 73f6e2f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらっち | 作成日時:2017年3月22日 18時