明日も空は青く綺麗で[きっくん]

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F「Aちゃー…あ、タイミング悪かった…?」

『あ、ううん!!大丈夫』

危なかった。
記憶喪失の事はいいとして。まだ何を忘れたか分かってないし。

彼の負担にはなりたくない。

あ「…きっくん、まだ思い出せねぇの?」

あろまがそう言った。
きっくんに向かって、低い声で。

あ「Aの事、もう少し考えろよ。思い出せよ…ｯ
失ってからじゃおせぇんだよ!!!!」

え「おい、あろま」

「ねぇ、Aちゃん。さっきの言葉、どういう意味なの」

『い、言いたくないの、今は…ｯ』

あろまが、何でだよ、辛い思いすんのはお前だろうが、と不満の声を上げる。

『…ｯ、負担には、なりたくない…から…ｯ!!!!』

あ「A…ｯ!!」

私はやっぱり、逃げることしか出来ないよ。

貴方には守って貰ったのに。


私は貴方を守れないの。

弱いから、醜いから、苦しいから。


貴方の方が辛いはずなのに。
ごめんなさい。



廊下を走り抜ける。
長い、長い病院の、静かな廊下に。
私の足音と、もう一つの足音。


グッと引っ張られ、私は走るのを止める。

『…FB』


F「Aちゃん…とりあえず、外出よ?
外のきゅうき吸って落ち着きょ?」


『…うん』

本当、情けない。
一番辛いのは、彼のはずなのに。

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