【2j3j】俺の姫は俺より大人【fw】

Episode26 ページ27

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あっという間に一週間は過ぎて、取引に向けた準備も無事終えた。









『だっ、大丈夫ですかね？また緊張してきた…』



「実は私も凄い緊張してます、何か」



『社長でも緊張するんですね…！』



「そりゃしますよ。私を何だと思ってるんですか、笑」









社長と言っても年も近いから、そこまで堅くなることも無く。
他愛のない話をしながら、最寄りの駅まで歩く。
すると、ブーブーと私のスマホが鳴り出した。









『あっ、すみません』



「時間にゆとりはありますし、出ても大丈夫ですよ」



『ありがとうございまっ………！？』








画面を見ると、そこに表示されていたのは見覚えのある名前だった。
取引の緊張からではない、冷たい嫌な汗が流れる。
電話をかけてきたのは前の会社のパワハラ上司だった。


何で？人事部に頼んで着信拒否にしてたのに。
そういえば、最近画面が割れてスマホ変えたから…！
端末で着信拒否してた気がするし…！


業務に関わる連絡は別の人に来ることになってるから、絶対辞めたことの文句の電話だ。
着信拒否解除した途端にかかってくるって、どんだけかけてたの。
辞めてからめちゃくちゃ経つのに、いくらなんでもしつこすぎない！？
多分、洗脳レベルにこき使える部下が私以外にあんまりいなかったから…








「月宮さん？大丈夫ですか…？」



『あっ、いや、えと…』



「顔色良くないですよ。とりあえず、そこのベンチに座りますか」









社長が心配してくれて、ベンチに誘導してくれる。
社長の優しさに泣きそうになるけど、電話は鳴りやまない。









『すみません。電話出ます』



「えっ、あ、はいっ」









社長はここで私が電話で話すことにちょっとびっくりしたらしい。
そりゃそうだよね。でも、1人じゃまだ怖いから許して社長。


ずっと逃げてたらまたかかってくるし、このままじゃだめだ。
今の私なら大丈夫。
意を決して、通話ボタンを押した。










【月宮！テメェ！辞めてんじゃねぇよ！！！どんだけかけても無視しやがって！辞めるの了承した覚えはねぇぞ！！】










途端に大きな声で罵倒される。
最近聞いていなかった大嫌いな声に体が強張った。










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