Episode20 ページ21
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「ただいま…」
寝ているであろうAちゃんを起こさないよう、声と足を忍ばせ玄関の扉の鍵を開ける。
もうすぐ日付が変わる。今日も仕事で遅くなってしまった。
相変わらず仕事は疲れるけど、姫の寝顔を見とけば疲れなんて吹っ飛ぶ。
そんなことを考えながら、いつも通り寝室へ向かおうとしたのだが。
「…あれ、電気ついてる?」
リビングの電気がついていた。
起きてんのか?
でもAちゃんも明日仕事だし、それは考えにくい。
「Aちゃ〜?」
彼女の名前を呼びながら、リビングに足を踏み入れる。
少し辺りを見回した後、ソファーから静かな寝息が聞こえてきた。
「寝とる?」
傍に綺麗に畳まれた洗濯物があるから、その途中で寝たらしい。
俺が夜家空けちゃうから、色々任せっきりになんの申し訳ないなぁ。
Aちゃんも忙しいのに、感謝しかない。
ぐっすりと眠る姫の顔を見ると、安心感が広がってつい頬が緩む。
お疲れ様、と頭を撫でようとしたが、あることに気付いた俺はその手を止めた。
「んえ、この服、」
Aちゃんの着ているトレーナーは明らかにサイズが大きい。
え、俺のか…??
「ええええ、ちょ、ちょっ、」
一応声は抑えたけど、普通にビビった。
え、彼シャツ的な?は?
「姫、勘弁してぇ…」
もう今のはクるものしかなかったが、仕事もあるし夜も遅いしそもそもAちゃん寝とるし、どうすることもできない。
ただズルズルとその場で崩れ落ちることしかできなかった。
「おやすみAちゃん」
とりあえず、起こさないようにそっとAちゃんを抱えて、ベッドに降ろした。
布団をかけてあげると、おやすみと声が返ってくることはないけれど、姫の表情が柔らかくなったような気がした。
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ちょこれーと(プロフ) - 七瀬えぬ??@Nの嫁さん» コメントありがとうございます!返信めちゃくちゃ遅くなってすみません(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございます!感謝感謝すぎます…💖 (7月17日 13時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬えぬ??@Nの嫁(プロフ) - ご完結おめでとうございます!(でいいのかな、?)リクエストも答えてくださりありがとうございました!!😭一枚上手な夢ちゃんとのfwさんの絡みがいつも顔が赤くなるくらい甘すぎて『てぇてぇ』でした、!!感謝感謝!!! (2022年12月3日 10時) (レス) id: 73fef89aef (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!ストーリー考えるの大変だったのでそう言っていただけると嬉しいです!翠さんにもいいことがありますよーに🌈 (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - エイの干物さん» コメントありがとうございます!aknのから読んでくださったんですね!めっちゃ嬉しいです!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ひてゃんさん» コメントありがとうございます!読者の皆様のおかげで完結させることができました・本当にありがとうございます!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年10月1日 22時