【2j3j】俺の姫は俺より大人【fw】

Episode18 ページ19

・








『不破くんも疲れてるのに、今日は色々ありがとね』



「そんなんお互い様よ」









むしろ俺の方がいつも色々やってもらっちゃってる身やし、これくらいさせてよ。
まーじでAちゃんが笑ってくれんなら、何でもできるぞ俺。
こうやって、些細な事でもありがとうって言ってくれるAちゃんだから、喧嘩にもならへんし仲良いままなんやろなぁ。









『でもありがと』


「んはは、いーえ！」









帰って来た時はマジで死にそうな顔してたけど、ちょっと元気出たみたいで良かった。
無理はせんといてほしいけど、今の会社で働いてるAちゃんは楽しそうだから俺は自分にできる形で応援したい。
風呂に向かうAちゃんを見てそんなことを思った。









・









「おかえりぃ」



『うん』









ベッドに座ってスマホを触りながらAちゃんを待っていると、
戻って来たAちゃんが急に後ろから俺を抱きしめて肩に顔を埋めた。









「にゃはは〜、どうしたん？」



『んーん、別に』










何でそんなに可愛いことするかなぁ…。
俺はスマホをテーブルに戻すと、首に回ったAちゃんの手に自分の手を重ねた。









「これも嬉しいけど、俺はこっちのがいい」









Aちゃんの手を1回解くと、向きを変えてもう1度首に回させる。
後ろからもいいけど、やっぱりAちゃんの顔が見たい。









「Aちゃん、俺のこと見て？」









Aちゃんが全然目を合わせてくれへんから。
若干恥ずかしいんだろうけど俺に負けるのも癪だからか、やっと目が合う。
俺のAちゃんを呼ぶ声が甘くなって、Aちゃんを見る目が熱くなる。


キスしたくなったけど、Aちゃんからしてくれへんかなって待ってみる。
俺の期待通りにAちゃんの顔が近付いて、でも、コツンとおでこがぶつかった。









『ふふ、キスすると思った？笑』









目と鼻の先に無邪気に笑うAちゃん。
ガッツリキス待ちしてたんやけど！恥っず！









「もぉ〜姫ぇ〜、いっつもカッコつかんやん俺！」



『ごめんって。不破くんはいつもカッコいいし、私は不破くんしか見てないよ、笑』









ちゅ、と軽く口づけられる。
怒りたいのに、どうしても頬が緩んでまう。


俺が姫の余裕をぶっ壊せるのはもう少し後らしい。









・

Episode19→←Episode17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す