【2j3j】俺の姫は俺より大人【fw】

Episode14 ページ15

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初対面で、めちゃくちゃ可愛い子やなぁって思った。
倒れるくらいまで我慢し過ぎちゃうのが、危なっかしい子とも思った。


化粧は薄めで、ほんのり香ってくるのは柔軟剤で、スーツをしっかり着こなしてる。
俺に会いに来る女の子とは何もかも違う子で、少しだけ惹かれた。
初めて会う子なのに、綺麗な涙を流すその子を見て守ってあげたいとさえ思った。


それでも、ホストは1人の子を好きになったりしないから。









でも、Aちゃんは俺にこう言った。









『だから、ホストだからどうとか思ったりしないですよ。不破さんは不破さんだから』









周りにいいイメージを持たれにくいこの仕事。
何て言うのが正解か分からんけど、ホストとしてじゃなくて、俺を見てくれてるって思えた。
その言葉が嬉しくて、救われて。
やっと見せてくれた、無理した笑いじゃないその笑顔が可愛くて。


もう会うことはないであろう子を、気が付いたら好きになってた。









『不破…さん？』









ちょっと戸惑いながら声をかけてくれたAちゃん。
また会えたのが嬉しくて、ちょっと明るくなった表情が前よりも一段と可愛くて。
ダメ元で飲みに誘ったら、まさかのOK。


諦められるかは分からないけど、言っても傷付けるだけの気持ちは隠し通すつもりだった。









『私、不破くんのこと好きだよ』









でも、そんなこと言われたらもう諦められない。
俺、相当重いぞ？いいの？ホストやけど、別にチャラないし。
”好き”なんて言われ慣れているはずなのに、めちゃくちゃに顔が熱くなった自分に驚いた。








「いくらホストでも女の子、仕事以外でお酒に誘ったりせーへんよ？」









ましてや客でもないのに。


Aちゃんが少し赤くなった顔で俺を見てる。
俺、前世で徳でも積んだんかな。
あ･･･、やば。嬉しすぎるねんけど。








「…俺もAちゃんが好き」








ホストじゃない、俺自身の言葉で。


こんなに早く誰かをすきになるってあかんのかな。
それはAちゃんも一緒やけど。
でも、本気やし。









「俺の彼女になってください」










もう手遅れやわ。











『はい…っ』










嬉しそうにはにかむAちゃんのその笑顔を
初めて会った日みたいに俺がずっと守りたいと思った。










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