Episode10 ページ11
・
『っ…ん………?』
「あっ、目ぇ覚めました?」
起きると、私はソファーに寝かされていた。
だんだん視界がはっきりしてくると、目の前にスーツを着たお兄さんが。
『あれ…私…』
「お姉さん、倒れたんやで」
『えっ』
よく考えれば、駅前を歩いていてそこからの記憶がない。
そういえば、倒れる前に男の人に話しかけられて…
『もしかしてあなたがここまでっ!?』
「めちゃくちゃ焦ったけど、丁度休憩中やったから連れて来たんすよ」
『本当すみません!ありがとうございます!あの、ここって…?』
「あぁ、俺ホストでさ…その休憩室みたいなとこ」
本当に迷惑すぎる…。お兄さんも困らせちゃったし。
というか、ホスト…?!確かに見た目ホストだけど!
もしかしてとんでもない所に来ちゃったんじゃ…
『っていうか、会社戻らなきゃ…。本当にご迷惑をおかけしました!何かお礼させていただきたいんですけど…』
「お礼?そんなんいいっすよ〜。でも、会社に戻るんは一旦待って」
『へ…、何で…』
スマホを見ると上司からの大量の連絡。
一刻も早く戻らなきゃヤバい。
すると、ホストのお兄さんは私の腕を掴んだ。
「お姉さん寝てないですよね?無理してないっすか?」
『あはは……ちょっと忙しくて…』
さっきまでニコニコ笑っていたおにいさんが、急に真面目な顔になって言った。
関係ない人に心配かけちゃいけない。
私は笑ってそう言ったけど、お兄さんは私の腕を掴んだままだった。
「……本当に初対面で絶対お節介なんは分かってるけど、話とか聞く、ッスよ?」
ホストって全員こんな風なのか…。
私は客でもなければ、お兄さんに貢いだわけじゃないのに。
やっぱり関係ない人に話したら、また迷惑かけちゃう。
だけど、この会社で働き始めてからそんな優しい言葉をかけられたのは初めてで。
気がついたら、私は思わず泣いてしまっていた。
「ここ人来ないし、俺もしばらく休憩なんで泣いても大丈夫」
初対面なのに何でこんな優しいこと言ってくれるんだろう。
やっぱりホストだから?
お兄さんのその安心する声色に、私は少しずつ会社でのことを口にした。
・
1691人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこれーと(プロフ) - 七瀬えぬ??@Nの嫁さん» コメントありがとうございます!返信めちゃくちゃ遅くなってすみません(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございます!感謝感謝すぎます…💖 (7月17日 13時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬えぬ??@Nの嫁(プロフ) - ご完結おめでとうございます!(でいいのかな、?)リクエストも答えてくださりありがとうございました!!😭一枚上手な夢ちゃんとのfwさんの絡みがいつも顔が赤くなるくらい甘すぎて『てぇてぇ』でした、!!感謝感謝!!! (2022年12月3日 10時) (レス) id: 73fef89aef (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!ストーリー考えるの大変だったのでそう言っていただけると嬉しいです!翠さんにもいいことがありますよーに🌈 (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - エイの干物さん» コメントありがとうございます!aknのから読んでくださったんですね!めっちゃ嬉しいです!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ひてゃんさん» コメントありがとうございます!読者の皆様のおかげで完結させることができました・本当にありがとうございます!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年10月1日 22時