【2j3j】唐辛子だけど甘いんです【akn】

◇ごめんね ページ31

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「いくらなんでもこれはないだろ。何したか分かってんの？ちょっとは冷静になれよ」










いつもの優しくて温かい明那の声じゃない。
私を友達から庇うようにする明那が、普段からは考えられないくらいに淡泊な声で言う。


ぎゅっと私を引き寄せたその手は微かに震えていた。










「話聞こえたけど。俺の事好きでいてくれたのは嬉しいことやけど、今お前がやったことは許せへんわ。つーか、告白したん俺の方やから。Aちゃんしか見えてへんのよ俺は」










明那は、私に向けて言う時は照れるであろう言葉を饒舌に話す。
自分に向けられているわけじゃないのに、少し怖いくらいだった。










『明那、そんな怒ってくれてありがとう。けど、もういいよ』



「でもっ、」










私は明那から離れると、友達に一歩近づいた。
友達は私を睨んだまま私を見下ろした。










「なに、」



『ごめん』










私が何を言っても、彼女が嫌な気持ちになるだけだ。
分かっていたから、そう一言だけ。


ずっと黙っててごめん。気付かなくてごめん。
もう前には戻れないけど、友達として大好きだったから。


彼女は1度苦しそうに顔を歪ませると、また私を睨んで他の女の子と一緒に講義室を出て行った。



彼女は明那と高校から一緒で、ずっとずっと想ってきたらしい。
もう戻れないけど、友達でいたから根は悪い子じゃないだよきっと。
















恋も友達もすっごく難しいや…。



















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