【2j3j】唐辛子だけど甘いんです【akn】

◇友達だと思ってた ページ29

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昨日は、明那に心配かけちゃったなぁ。
明那からの言葉は嬉しかったけど、やっぱり講義に身が入らない。
聞いてはいるけど、先生の話は頭を通り抜けていく。
大学がこんなにつまらない日、初めてかもしれない。










「A？Aってば！」



『っあ、な、何？』



「もー、何かあったの？次、移動でしょ。一緒に行こ」



『ごめん、何も無いよ。行こ！』










と、友達にも心配される始末。
今日も感じる棘のある視線。
恨まれてるっていう事実が怖かった。


それでも、別に直接的に何かされた訳じゃないし。
陰でコソコソ言ってるだけの人に負けるのも悔しい。
わたしなら、大丈夫。


そう思うことにして、友達の後を追いかけた。










「そーいえば、Aに話したい事あるんやけど。放課後人いなくなるまで講義室に残っとってくれん？」



『あ…うん、分かった！』










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その時は大丈夫だって思ってた。





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「…別れてって言ったよね？」



『え……』










そう冷たい声で言い放つのは、私のいる学科で1番仲が良い友達。
さっき話があると言っていた友達。
言われた通り講義室に残っていれば、最近私の陰口を言ってくる子と一緒に来た。










『何で、あなたが…』



「ずっと好きだった人が友達の彼氏って分かったら、縁切りたくもなるでしょ」









そう言い放つと、クスクスとおかしそうに笑う陰口を言ってくる子。
全部、あの別れてって書かれた紙も友達がやってたってこと？
違うと思いたくても、目の前の光景がそう物語っている。
ショックだった。










『明那とは別れないよ…』










けど、私の1番大切な人は明那だから。
キッと睨みつけて言うと、友達は不敵に笑って見せた。











「まぁ、いいけど？
　どうせ別れてもらうし」



『何言って…』











バチン、と乾いた音とともに自分の左頬に鋭い痛みが走った。











「アンタなんかが三枝くんの眼中に入るわけないじゃん。私はずっと前から好きだったのに」










そこには、いつもの優しい友達の姿はなかった。











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