◆スケート ページ22
・
「うわああ!!ちょっと待って、ヤバイ俺、絶対コケるヤツこれ」
『…明那、手離していい?』
「このタイミングでそれは鬼やてAちゃん。ちょっ、ホンマに待って!」
Aちゃんの風邪も無事治り、先週行く予定だった所に無事行けた。
そう、スケートに。
Aちゃんは経験者で安定して氷の上で立っていられるが、俺はもう既にコケそうだった。
Aちゃんの手にしがみついているから何とか立っていられるが、そんな無慈悲な事を言われてしまう。
『冗談だって。こうやって前に進めそう?掴まる?』
「あ、意外と歩ける。俺、スケート選手なれてまうかも」
『え、急に調子乗るやん』
Aちゃんに少し教えてもらって、片方掴まれば少し滑れるようになった。
若干イキっていると、「明那にはまだ早いってことを教えてあげるよ」とAちゃんに手に掴まるように言われる。
俺ならイケるで?とその手を取ったことを後に後悔することになる。
「ああああああ、速い速い!!!怖い怖い怖い、飛ばしすぎやって!」
『…もっと早く?』
「言ってへん言ってへん!!言ってへん言うたやろォォォ!!」
『ちょーたのしーい!!』
俺の手を引き、猛スピードで滑り始めるAちゃん。
俺が断末魔を上げてもお構いなく、人を交わしながら器用に滑っていく。
…ちょっと調子乗っただけやん俺、、、
全く反省の色がないAちゃんに謝られ、ふと近くのカップルが目に入った。
「絶対手離しちゃダメだからね?」
「ん、分かってっからよ」
こういうのは彼氏が上手くて、よろけた彼女を助けるのが完璧な画やん。
俺の場合はアレじゃないですか。
俺が彼女ムーブしてるやつ…
俺、めっちゃリードされててワロタ。
何となく自己嫌悪に駆られていると、Aちゃんが俺の視線に気付いた。
『分かってないなぁ〜、明那は。急にカッコよくなるからドキってするんだよ女の子は!』
「…この前の看病してくれた時とかね」
ボソっとそう付け加えたAちゃんの耳はほんのり赤くて。
これは寒さのせいじゃないよなぁ。
「まぁあの時の俺はカッコよかったよな」
『また猛スピードで滑る?』
「ひえ、」
これで安心するとか、Aちゃんに関してはチョロいな俺、
・
713人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこれーと(プロフ) - ぱぱぱんさん» コメントありがとうございます!優しい読者様のおかげでここまで書けました…!そう言っていただけて嬉しいです♡ (2022年10月1日 16時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱぱん - 完結おめでとうございます…!読んでるこちらも泣けてくるくらいすごく良いお話でした!(上から目線で申し訳ない)文も読みやすかったです! (2022年9月30日 17時) (レス) @page50 id: 81f1be7b27 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 乳酸菌そーださん» コメントありがとうございます!初めて書くジャンルで難しかったんですが、aknのピュアな所?をたくさん書けて満足です! (2022年9月29日 21時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - のわさん» コメントありがとうございます!自分も書いてて楽しかったので、そう言われると嬉しいです!最推しはaknなので、また書きたいなって思ってます! (2022年9月29日 21時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌そーだ - 完結おめでとうございます!!読んでいてすごく胸がキュンキュンしてました、すっっごく面白かったです✨ (2022年9月29日 20時) (レス) @page50 id: add652d645 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年8月21日 17時