【2j3j】唐辛子だけど甘いんです【akn】

◇甘えられる人が ページ21

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「なるべく早く帰ってくるから。何かあったら電話してね。薬も忘れず飲むこと」



『うん、ありがとうお母さん』

いかないで









「ごめんねA、こんな時に傍にいてあげられなくて」



『ううん、大丈夫だよ。お仕事頑張ってね』








寂しいよ








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『っ、んー…』













あれからどのくらい寝てたんだろう。
気が付けば、外はもう夕方だった。
午前中は怠くて熱かった体も、今は少し楽になった気がする。


こんな風に熱出すなんて、小学生の時以来じゃないのかな。
そのせいでこんな夢見ちゃったのかな。
お母さんを困らせたくはなかったけど、あの頃の私はやっぱり子供だったから寂しかったっけ。









『明那……も寝ちゃってる』










視線を落とすと、明那は私の手を握ったままベッドの上に頭を乗せて寝ていた。
本当にずっと傍にいてくれたんだ。
その寝顔が何だか幼くて、可愛いなぁなんて笑ってしまう。


「それに俺知っとるよ。Aちゃん意外と寂しがり屋さんなの」
本当に明那には敵わないなぁ。
明那の優しさに触れるたびにどんどん好きになってしまう。


その寝顔から目が離せなくなった。










『明那、大好き』










起き上がって、明那頭の近くに手を置く。
ギシ…とベッドが軋む音がした。











『んっ！？』











びっくりして小さく声が出た。
明那が急に起きたかと思えば、私の手首を掴む。
少し体を起こして、自分の方へ私を引き寄せた。










『…っ』











明那に唇を重ねられた。
息が苦しくなってきたかと思えば、やっとのことで唇が離れる。


私と目が合うと黙っていた明那の顔がみるみるうちに赤くなった。











「何か目覚めたらAちゃんが俺の寝込み襲おうとしてて可愛くてつい…」



『襲っ…！？』



「危な、風邪ひいてるのに普通に襲うとこだったよ俺」



『な、ななな何言ってんの！？寝ぼけてる？』



「俺も男よ？」



『知っとりますけども！！』












私の顔が熱いのは多分風邪のせいじゃないんだろうな。
明那みたいに甘えられる人が傍にいるって良いな。












「起きてる時に襲ってくれてもいいんやで？」



『はぁ！？しないから！』













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