【2j3j】唐辛子だけど甘いんです【akn】

・ ページ14

・










「…あのさ、俺が今から言う事、瀬良さんが苦手であろうノリノリで合コンくるチャラいヤツと一緒になるかもしれないんやけど、、」



『…ん？うん』










三枝くんが私に目を合わせないまま、おずおずと言う。
さっきまで普通だったのに、急に歯切れが悪い。
次の言葉を続けようか迷うと素振りを見せ、もう1度口を開く。










「ほんとに、初対面で何言ってんだって感じやけど、」



『うん？』



「あー…もしよかったら、」











前置きが長すぎて、何を言われるのか予想もつかない私はつい急かすような相槌になってしまう。
女性が苦手で慣れてないってこういう事なのかな、なんて遅れて実感する。


三枝くんは頭を少しかくと、さっきまで泳がせていた目で真っ直ぐに私を見た。









「…2人でバックレん？」



『え…』











想像していなかった言葉にびっくりして三枝くんを見つめ返すと、また視線を泳がせる三枝くん。
言い訳をするみたいに続けた。










「何か話してると楽しいっていうか、最初から思ってたけどめちゃくちゃ可愛いし…。ほんとに、誰かにこんな風に思うん初めてで、！嫌やったらマジで！！全然大丈夫！！！」










沈黙が嫌なのか、立て続けに話し続ける三枝くん。
そこで言葉を止めるが、ずっと固まっている私に一気に不安そうな表情になった。









「ごめん、初対面でヘンな事言って！えっと、その、…！」



『…いいよ』



「えっ」









多分、三枝くんだからだよ。
こんなこと言われたら私は断っちゃう性格だもん。
三枝くんみたいな人だから、そう思えちゃったんだよ。









『いいよ、全然ご飯食べれてないしバックレちゃおう』










・

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す