…3 ページ20
.
side 青
「検査の時間だよ」
そう言われて、看護師さんについていくと
大っきい機械がある部屋に入れられた。
ガラス越しに、たくさんコンピューターがある部屋が見えた。
「ここに、仰向けで寝てね」
青「……はい。」
バタン。とドアが閉められて
部屋の中に俺一人。
手足も動かされへんくされとって、
涙を堪えながら、ぎゅっと目をつぶった。
今思えば、ただのＭＲＩやねんけど
当時の俺からすれば、とんでもない、人を殺す機械に見えたな。(笑)
「はい、終わり。」
部屋から出る時に、ガラス越しに先生の難しい顔が見えた。
…俺、良くなってないんかな。
看護師さんに抱っこされながら、幼心に、上手くいってへんことを察知した。
その予感は的中。
治療は上手くいっておらず
入院が長引くことになった。
青「ｸﾞｽｯ 帰りたい……」
カーテンで仕切られ
１人になったベッドの上で、すすり泣いていた。
？「なーに泣いてんの？」
青「……へ？」
ひょこっと、カーテンの隙間から覗いたのは
帽子をかぶった、俺と同い年くらいの男の子。
赤「おれ、ダイキ！」
青「ダイキ……くん？」
急な訪問客にアワアワする俺にお構いなく
ダイキくんは、俺のベッドにあがってきた。
赤「６歳やで！お前はっ？？」
青「りゅうせい。」
赤「りゅーせー？」
青「流れ星って書いて、りゅうせい。」
へー。と、６歳が使うにしては広すぎるベッドに
ごろーんと横になったダイキくん。
りゅーせーも！と俺の手を引っ張るから
ダイキくんの横に、寝転がる。
赤「流れ星って、なんなん？」
青「お星様が、ぴゅーって動くねん。キレイやで。俺、見たことないけど。」
赤「えーっ、自分、りゅーせーなのに、見たことないん？」
見たことないってことより、知らん方がびっくりやねんけど。
なんで知らんの？とは、聞いちゃアカンかな。って何故か思った。
青「本物の流れ星、見てみたいなー。」
赤「じゃあ、見に行こうやっ」
ごろん、と俺の方に向き直って、いたずらっぽい笑顔をした。
俺も、外行ってみたいねん。って。
そういえば
ダイキくんの顔も、パジャマから見える手足も
真っ白やった。
＊＊＊
評価よろしくお願いします！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりりんご(プロフ) - 蘭芽さん» リクエストありがとうございます！遅くなってしまうかもしれませんが、書かせて頂きます！ (2019年7月8日 23時) (
レス) id: 6fee2d04eb (このIDを非表示/違反報告)
蘭芽(プロフ) - リクエスト失礼します。余命わずかな兄の橙と障害持ちの弟の緑という話が読みたいです。緑は橙の余命は知らない設定でお願いします。 (2019年7月8日 7時) (レス) id: 3ac2901e46 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりんご(プロフ) - 樹波@itsumiさん» リクエストありがとうございます！調べながら、書かせて頂きます。 (2019年6月27日 23時) (レス) id: 1fb8f5bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
樹波@itsumi(プロフ) - リクエストをしたいです。心臓病の淳太くんと貧血持ちのシゲ、看護師の流星を書いてほしいです。発作が起きて倒れちゃう淳太くんのために必死に流星を呼びに行って、そのあと貧血で倒れるシゲをお願いします。注文多くてすみません。発作の部分大事です。お願いします！ (2019年6月27日 22時) (レス) id: 6c6dced539 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりんご(プロフ) - 樹波@itsumiさん» リクエストありがとうございます。書かせて頂きます！調べながら書いてますが、大目に見てください… (2019年6月26日 23時) (レス) id: 1fb8f5bcc2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりりんご | 作成日時：2019年6月22日 17時
