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「面接の途中にお邪魔しました。
あっ、智さん、雅紀さんから伝言。
『あと15分ぐらいで準備できるから、
早めにお願い』だって」
奈美の言葉に、
大野は「了解」と答えた。
「それじゃあ、私は先に行っていますね」
盆をわきに抱えた奈美は
カウンターの奥にある扉を開け
中に入っていく。
あの奥には何が？
奈美が扉の奥に消えるのを
櫻井は眺め続けた。
「面接中に余裕だね。
女の子に見とれているなんてさ。
一目惚れでもしちゃった？」
二宮にからかうような声で言われ、
櫻井は我に返る。
「い、いえ、そういうわけでは……」
「本当？いま瞳孔が開いていましたよ。
異性に魅力を感じていると
そういう反応が……」
「…ニノ、下らない話はやめろ」
大野がなぜか少し硬い声で
二宮の話を遮る。
二宮は「はいはい」と苦笑を浮かべた。
「ところで櫻井くん、君は口は堅いかな？」
咳払いをして大野が発した質問に、
櫻井は「え？」と間の抜けた声をあげる。
「うちのスタッフになるなら、何よりも
口の堅さが必要になるんだよ。
どんな事があっても患者の情報を
漏らさない口の堅さがね」
「もちろん、
患者の情報を漏らしたりはしません」
櫻井は即答する。
医師には医師法で
守秘義務が課せられている。
それを破れば法的に罰せられる。
「普通の口の堅さじゃダメなんだ。
もし間違っても情報が漏れれば、
国家レベルの問題になりかねない」
「国家レベルって、そんな大げさな」
冗談だと思い笑みを浮かべかけた櫻井は、
大野の鋭い視線に貫かれ口をつぐむ。
「……もう一度だけ訊く。
君は絶対に患者の秘密を漏らさない
と誓えるか？」
櫻井の目を真っ直ぐに覗き込みながら、
大野は腹の底に響くような低い声で訊ねる。
櫻井は喉を鳴らして唾を飲み込むと、
ゆっくりと頷いた。
「はい、……誓えます」
櫻井の答えを聞いた大野は、
横目で隣に座る二宮に視線を送る。
二宮はふっと唇の端を上げると、
さっきと同じように小さく頷いた。
「よし、それじゃあ行くか」
大野は立ち上がると櫻井に手招きをする。
「あの、行くってどこに？」
櫻井は眉根を寄せた。
「面接はこれで終わり。
次は実技試験だ。さ、ついてきてくれ」
大野はカウンターの中に入ると、
さっき奈美が入っていった扉を開ける。
櫻井は言われるがままに
大野のあとに続いて中に入った。
扉が閉まる寸前、
皮肉っぽい笑みを浮かべた二宮が
「グッドラック」と親指を立てた。
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
