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明らかになにかスポーツをするために
作り込まれた体だ。
おそらくは……格闘技。
よくよく見ると、大野の体には
あちこちに古傷のような痕さえ見て取れた。
「そういえば三森教授から聞いたけど、
君は総合格闘技をかなり
やり込んでいるんだってね。
たしかプロのライセンスも持っているとか」
唐突な大野の質問に、
櫻井はネクタイを緩めながら
「はい、とりあえず……」と曖昧に答える。
「そうかそうか、それは素晴らしい」
満足気に頷く大野に戸惑いながら、
櫻井はYシャツを脱いだ。
急いで手術着に着替えた櫻井は
大野とともに部屋から出ると、
廊下の奥へと向かう。
廊下の奥にある扉の前に立った大野は
壁に開いた小さな穴、
フィットスイッチに足を入れる。
ゆっくりと鉄製の扉が横に開いた。
櫻井は息を呑む。
扉の奥にあったのは
十メートル四方はありそうな、
広い手術室だった。
リノリウム製の床と壁は光沢を放つほどに
磨き込まれており、置かれている麻酔器を
はじめとした各種の機器は
最新鋭のものばかりだった。
大学病院に勝るとも劣らないほど
設備が整った手術室。
それがこんな古びた雑居ビルに？
櫻井は立ち尽くす。
部屋の中心に置かれた手術台の上には
初老の男が横たわり、その周りに
手術着姿の3人の男女が立っていた。
そのうちの一人は、さっきコーヒーを
持ってきてくれた月山奈美で、
いまは器具台の上に手術用器具を
きれいに並べていた。
「大ちゃん、遅ーい。待ちくたびれたよ」
櫻井の鼓膜をやや間延びした
男の声がくすぐる。
手術台のそばにいた男が
マスクを外しながら近づいてきた。
俺と変わらないくらいの長身で、
思わず見とれてしまいそうになる
イケメンだ。
そして、むせかえるような色気が
その全身から匂い立っていた。
「あれ？面接は合格したんだ。
すごいじゃん。
ニノちゃんのお眼鏡にかなうなんて」
男は笑みを浮かべながら櫻井に
妖しい流し目をくれる。
本当に男だよな？
その色香に当てられ、櫻井は
「え、えっと……」としどろもどろになる。
「このイケメンがうちで産婦人科と
小児科を担当している相葉雅紀だ。
雅紀、彼は櫻井翔くん。
これから実技試験をすることになった」
大野が淡々と紹介する。
相葉は「い、イケメン？」と
不思議そうに首を傾げる。
気付いてないのか。
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
