All for the love of you. (ページ1)

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月島 side

中学の卒業式を終え、

あとは高校の合格発表を待つだけとなったある日、

小学校からの腐れ縁、

山口忠がうちに遊びに来ていた。

高校受験が終わってからというもの

山口は日に日にやつれて行くように見える。

山「はぁ～…」

「もう今更結果が変わるわけじゃないんだから

いい加減切り替えなよ」

志望校は、宮城県立烏野高校

僕も山口も十分合格圏内で

別に試験をやらかしたわけでもない。

「普通にやったら受かってるんだから

ちょっとは自信持ちなよ」

山「ヅッギィィィィィ」

半泣きの山口をスルーして

ふと、窓の外を見た。

僕が烏野高校を選んだ理由は家から近いから。

…ただそれだけ。

深い意味は、ない。

山「ツッキー？何見てるの？」

少し復活した山口が

同じように窓を覗き込んできた。

山「あ！お隣さん、今日引越しなんだね！」

ずっと借家だった隣の一軒家に

ついに本来の持ち主が住み始めると聞いたのは

3日前。

山「どんな人が来るんだろうね！」

「…別に、興味ないし」

そう言って

卒業祝いに買ってもらった

ヘッドホンを手に取った。

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