第１７４話 ページ36
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「……A…」
「どうしたの？」
深夜､小声でエースが話しかけてくる｡
「お前は…あいつを恨まないのかよ｡」
あいつ…とは､多分海賊王の事だろう｡
「最初は恨んでたよ｡でも…もう恨まない｡」
「！」
「どう足掻いても､私達はあの人の子供だし､その事実から逃げる事は出来ない｡ならもう受け入れようって思ってね｡」
「でも…！あいつのせいで､Aは一度死んだんだろ！」
「そうだけど…私､その時ようやく気づいたんだ｡恨んでるのは親じゃなくて､”自分“なんだって｡」
エースが息を飲むのが分かる｡
「居場所や大切な人も守れないの｡ちっぽけで弱い私｡そんな私が大嫌い｡だから名前も変えた｡弱い私を切り捨てるために｡」
そっとエースの髪に触れる｡
さらさらした黒い髪｡
「…エースは優しいね｡」
「え？」
「貴方が羨ましい｡」
羨ましいよ｡
その穢れを知らない真っ直ぐな瞳｡
貴方はきっとこれから､凄い人になるんだろうね｡
…私の手は､もう汚れてるから｡
瞳は､もう濁ってるから｡
大切なものを守るためなら､どんな犠牲も惜しまない｡
「……真っ直ぐに生きてね｡エース｡」
訳が分からないとでも言うような顔をしたエース｡
「おやすみエース｡」
「……おう｡おやすみ｡」
ぎゅっとエースを抱き締める｡
あぁ…暖かい……
そしてあっという間に一週間が過ぎた｡
「二人が世話になった｡」
「A！エト！もういっちまうのかよ！」
ルフィ君やサボ君は名残惜しそうに見つめてくる｡
ああ可愛い！天使！！⬅
「A…」
ぎゅっとエースが私の服を掴む｡
「また会えるか？」
唇を噛み締め､真っ黒い瞳で見つめてくる｡
私は微笑んで､エースの頭を撫でた｡
「じゃあ今度は､エースが会いに来てよ｡今回は本当にたまたまだったけど｡」
「俺から？」
「うん！海賊になるんでしょ？」
エースの目が大きく開かれる｡
「おう！」
にししっと笑ったエース｡
太陽みたいな…笑顔｡
「あっ！さっきも言ったけど､くれぐれもおじいちゃんには言わないでね！特にルフィ君！」
「俺かよぉ〜！」
ガープおじいちゃんに､私の事が知られたら､たまったもんじゃないわ！
「じゃあね､エース｡」
「またな､A｡」
そう言って､私達は別れた｡
さよならなんて言わない｡
だってまた会えるんだから｡
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リツ(プロフ) - 酒恋女さん» そんなにですか！！ご愛読ありがとうございます！この小説を読んでくれるってだけで嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年3月22日 7時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
酒恋女 - リツさん！！！！！！！すっごく感動しました！！！！もう"ひまわりな君へ"を読むとき、片手からティッシュが離れませんでした！！！！！！！これからも更新を楽しみにしています！アンとえと！！！！頑張れ！！！！ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 39f73519ea (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 三村友里亜さん» 嬉しいお言葉！励みになります！ありがとうございます､頑張ります！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
三村友里亜(プロフ) - 毎回楽しんで読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - miチョコさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年2月22日 7時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツ | 作成日時：2018年1月13日 23時
