第１６３話 ページ25
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だけど､その沈黙を破ったのはタカさんだった｡
「お前の過去はわかった｡……気づいてやれなくて悪かった｡」
タカさんはそっとエトワール君の頭を撫でる｡
その行動に､エトワール君は固まっていたが､次第に目に涙が溜まっていく｡
「俺だけっ…生き残っちゃったっ…！お母さまはもう生きてないのに､俺､どうすればいいのかな…？」
乱暴に目を擦りながらエトワール君は俯く｡
「こぉら｡そんなに擦ると赤くなっちゃうよぉ？」
アズさんが優しく涙を拭く｡
「生きようよ､エトワール君｡」
私は微笑んで､エトワール君をぎゅっと抱き締めた｡
「エトワール君のお母さんの分まで｡ね？」
「っっ…！……うんっ！！」
抱き締め返してきたエトワール君は､大泣きした｡
今まで感情を我慢してきた分が涙となって溢れるように｡
メーデルさんは私達を抱き締める｡
人の温もりに落ち着いたのか､そのあとエトワール君は寝てしまった｡
「……エトワールの過去はわかった｡だが問題は…」
「どうやって､エトワール君は死んだのか…ですよね｡」
「ああ｡」
そう､天竜人と言えど父親には大事にされていた｡
母親はそもそも殺すことが無理だろう｡
何より､エトワール君が発見されたのが東の海の夏島なのだ｡
全てが不可解過ぎる｡
「…悪魔……」
メーデルさんは息をするように呟いた｡
部屋の中は静かだったので､その呟きは皆の耳に届いた｡
「……動き出したっていうの…？」
「悪魔？」
タカさんは険しい顔をしたまま､話し出す｡
「簡単に言えば､俺達の天敵だ｡俺達は､地獄行きと判断した人間を殺している｡それと､この世でさ迷っている霊を冥界へ導くのが俺達の仕事｡
一方で､悪魔は人間の欲を利用し誘いだし､人間の魂を食べてしまうんだ｡食べられた人間の魂は永遠に自由になることはない｡」
ぞっとした｡
全身に鳥肌が立つ｡
「でも､どうして悪魔…？」
「何らかの目的で人間に取りついて殺したのか…どちらにせよ､悪魔が動き出したことは間違いない！」
「あーぁ､惜しいなぁ…♪」
マリージョアで､銀髪の男が､タカ達が帰っていった道を眺める｡
「ククッ…“破壊”の力を持つ鬼の子…♪」
その背中からは､六つの翼が生えていた｡
「ワタシが殺してあげよう…♪」
男は高々と笑った｡
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リツ(プロフ) - 酒恋女さん» そんなにですか！！ご愛読ありがとうございます！この小説を読んでくれるってだけで嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年3月22日 7時) (
レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
酒恋女 - リツさん！！！！！！！すっごく感動しました！！！！もう"ひまわりな君へ"を読むとき、片手からティッシュが離れませんでした！！！！！！！これからも更新を楽しみにしています！アンとえと！！！！頑張れ！！！！ (2018年3月22日 0時) (レス) id: 39f73519ea (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - 三村友里亜さん» 嬉しいお言葉！励みになります！ありがとうございます､頑張ります！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
三村友里亜(プロフ) - 毎回楽しんで読ませてもらってます！これからも頑張ってください！ (2018年3月7日 21時) (レス) id: c7ded62622 (このIDを非表示/違反報告)
リツ(プロフ) - miチョコさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2018年2月22日 7時) (レス) id: 14d43f0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リツ | 作成日時：2018年1月13日 23時
