【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ9)

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9話。ページ9

Aside

｢なんだ、注射苦手なのか？これくらいの痛み、さっきの狙撃に比べれば大したことないだろう。｣

『け、けどそれ...モルヒネですよね』

｢痛みを和らげるにはこれって相場が決まってる。随分イイらしいぞ｣

『尾形上等兵は用量分かってるんですかっ...？！』

｢いいや？適当だが...死にやしねえだろ。隠れて使ってる奴を見たことあるが、俺が準備した量の倍は摂取してた。｣

そう言うと彼は打ちやすいところを探るように、腹を触り、注射針を突き立てた。

『ふっ、うぅ...』

｢力抜け。腹に力が入っていて打てない。｣

『だってっ...！』

私が覚悟を決めれず駄々をこねると、尾形上等兵は私の耳に顔を近づけぼそぼそと低い声で喋った。

｢大丈夫。痛みが収まって、気持ちよくなれるんだ。何も怖がらなくていい。｣

『はぁ.......あ、は、入ってきた.......』

｢そう、そのままだぞ...？大丈夫、心配する必要ないからな.....｣

だめだ、頭がフワフワする。何も考えられない。なんだか気分が良い。このまま寝てしまいたい。
さっきまでの腹の痛みは全くなかった。

『尾形上等兵.......』

｢寝ていいぞ。きっと眠いだろう｣

『尾形上等兵も、.......』

彼の腕を引っ張りベッドへ連れ込む。普段ならこんなことしないけど、今は愉快だ。なんでもできる。

彼とベッドで寝転がったのを最後に、私の記憶はそこで途絶えた。

｢.....モルヒネの量、ちょっと多すぎたか？｣