【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ49)

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49話。ページ49

Aside

『…暇だなあ』

｢んー........｣

尾形上等兵と食料庫の縁に座って谷垣さんを見張る。
ときどき谷垣さんの様子を見に行って、少し駄弁って戻って、の繰り返し。ときどきコタンの人が食べ物を持ってきてくれる。はっきり言ってもう飽きた。

『杉元さんたち、早く帰ってこないかな』

｢んー.......｣

『...眠いんですか？いいですよ、しらばく寝てて。今日天気も良くて暖かいですもんね』

｢ん.....｣

尾形上等兵は曖昧な返事をすると、のそのそと私の膝に頭を乗っけて寝てしまった。

別に膝枕するなんて言ってないけど...。

トントン、と彼のからだをゆっくり優しく叩く。このリズムで叩くと、しばらくは起きれない。

私のお腹に顔を押し付けて腰に腕を回す彼は、本当に猫みたいだ。顔を覗けば、すやすやと寝息を立てている。普段寝るときも銃を置いておく彼が、人前だというのにこんなに無防備に寝ている。私を信頼してくれている気がして誇らしかった。

頬の縫い傷を触ると、少し凹んでいる。この傷さえも愛おしい。更に男前になったのではとさえ思える。

『.......』

寝てるのをいいことに、彼の傷跡を舐めてみる。ぺろ、と舐めてみると、彼は一瞬ぴくんと動いたが起きる気配は無さそうだった。

『ふふ.......』

大好きな尾形上等兵。尾形上等兵は私のものでは無いかもしれないけど、私はあなたのものです。

またもう一度だけ舐めて視線を檻に移すと、谷垣さんと目が合った。

『.....秘密ですよ』

谷垣さんはごくんと息を飲み、小さく言った。

｢お前たちは...少し変わってる｣

『ええ...そうかもしれませんね』