【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ47)

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47話。ページ47

Aside

すると、男の人たちは尾形上等兵に銃を向けた。
すぐに彼の前に出ようとした。したけれど……

｢俺に銃を向けるな……殺すぞ｣

『ッ……』

尾形上等兵は妖しい殺気を放った。いつもは死んでいる目の奥がギラギラと嫌に光っている。背筋が凍った。動けなかった。私たち人間が、もともと戦闘民族であったことを思い出させるような、そんな雰囲気を彼は発していた。

長い間尾形上等兵と彼らは睨み合っていたが、谷垣さんがまた声をあげた。

｢…殺さないでくれ。俺がなんとかする｣

結局、谷垣さんは尾形上等兵にそう頼み込み、彼らは休戦状態となった。それにしても谷垣さん、やっぱりお人好しだ。自分の身が危ないというのにどうにかして分かり合おうとしている。正直、彼のような人みたいになりたいと思う。

彼らのコタンに連れていかれた谷垣さんのあとを追いその村に入る。アイヌの彼らは、谷垣さんをどうするか何やら揉めていたようだった。

『なんか、随分揉めてますね』

｢ああ、あんな奴1人のためにここまで揉めなくてもいいのにな。｣

尾形上等兵は地面にいる蟻を数えながらそう言った。

｢とにかく、こいつの鼻と耳を削いでやる！｣

｢待ってくれ、俺の話を聞いてくれ！！｣

谷垣さんが必死にそう叫ぶと、彼とアイヌ男性の間に杉元さんがいた。

｢ちょっと待った｣