39話。 ページ39
Aside
『なっ……』
｢やはりか。まあ良い。お前が尾形を好いてたのは知ってたからな｣
何この人、頭おかしくない？普通なら抱かれたんならもういいやってならない？なんで平然としてられるの？寝取られ願望でもあるのかしら…。
なんてぐるぐる考えていると、彼は私の耳に唇を這わせ、ゆっくりと、小さく囁いた。
｢どうだった、尾形に抱かれた感想は。随分良かったか？気持ちよかったのか？｣
『っ、…なんなんですか、そんなこと聞くなんて…』
｢答えてみろ。｣
やだ、こんなの私の知ってる鯉登少尉じゃない。彼ってこんなに艶かしかったっけ……？
『……鯉登少尉、も、許してください…』
｢A……｣
すんすんと首もとの匂いを嗅いでいる鯉登少尉。
ほんと何がしたいの…。このまま私、彼に喰われるのかな……。
そう思っていると、鯉登少尉を呼ぶ声が聞こえた。
｢鯉登少尉ッ！どこにいらっしゃるんですか｣
｢んん、月島だ…月島！ここにいる！｣
うわ。月島軍曹だ…。この前江渡貝くんちで投げ飛ばしたから、ちょっと気まずいんだよね…。
｢もう…何をやってらっしゃるんですか、…って、Aじゃないか！なぜここにいる…？｣
『い、いや…特に理由とかは…早く尾形上等兵のところに戻らなければ…』
｢まぁた尾形か！！あの男にどんな魅力があるというんだ！｣
｢それより少尉！どうするおつもりですか。Aを捉えたと言うことは鶴見中尉に報告して身柄を渡すということですよ？あなた、Aのこと好きでしたよね？いいんですか、A、多分売られるか殺されるかしますよ｣
｢そっそうなのか！？…確かに考えておらんかった…ど、どうしよう月島ぁ〜！｣
｢部屋に隠すとかしないでくださいよ、ペットじゃあるまいし…う〜ん……かと言ってみすみす逃がすのもだよなぁ…｣
なんか言い合ってる……行けそう？もしかして逃げれそう？
とりあえず喧嘩している2人の懐から拳銃を盗み、2人に向けて構える。ハッとした2人は息を呑んでこっちを見た。
『…手をあげてください…。いいですか、追いかけてきたら撃ちますからね…本気ですよ』
｢っ……これはやらかしたな｣
｢鶴見中尉に叱られるッ…！｣
それを向けながら、なんとか走って逃げた。良かった、少なくとも尾形上等兵たちとは合流できそう。
｢…手口が尾形に似てきましたね、A｣
｢そんな策略家なところも可愛いぞ！｣
｢尾形だったらキレてるくせに…｣
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名無し(プロフ) - 最高です！ (2021年5月2日 17時) (
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作者名：4番くん | 作成日時：2021年4月18日 8時
