【ゴールデンカムイ】兵器な彼女【尾形百之助】 (ページ3)

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3話。ページ3

Aside

家にお邪魔すると、おばあさんと、オソマと名乗る女の子が1人。

二階堂くんはおばあさんの肩を叩き、私はオソマちゃんと遊んでいた。

｢お前、子ども好きなのか｣

『こんな妹がいたらいいなとは思います』

彼女の頬を撫でると、気持ちよさそうに頬ずりをしてくる。可愛い。

しばらくすると物音がして、そっちの方にオソマちゃんは走っていった。

何やら声が聞こえる。オソマちゃんの声と、男の声。
間違いない。谷垣さんだ。

部屋に入ってきた谷垣さんは、私たちを見るなり驚いて息を飲んだ。オソマちゃんが私の膝に走ってきて座るのを見て、私の近くに武器がないかを確認していた。

｢おっ、尾形上等兵！｣

｢この家に怪我をした兵士がいると聞いたが...お前の事だったのか、谷垣一等卒。｣

｢アマッポ...仕掛け矢にかかり負傷したところ、アイヌの方々に助けられました！しばらくここで恩を返してから戻ろうと思っていました！｣

｢負傷、ねえ...歩いてるようだけどなぁ｣

二階堂くんがそう言い、おばあさんの肩を叩き続ける。

｢谷垣一等卒と共に行動していた兵士たちが全員行方不明になった。東北育ちの君だけが助かったようだが...何か知らないか？｣

意地悪な質問だ...。そんな言い方じゃ、｢谷垣さんが造反者の彼らを始末したのは分かってる｣と言っているようなものだ。わざと気づかせてボロを出させるつもりだろう。

二階堂くんは、おばあさんの頭に銃を突きつけていた。

｢私が殺したわけではありません！本当です...それにどうか...この村の人達だけには危害を加えないでください...お願いします...！｣

シーンと静まり返るその場。次に聞こえるのは銃声か悲鳴か。けれど、聞こえたのは尾形上等兵の笑い声だった。

｢ちょっとカマをかけてみた。恩は好きなだけ返せばいい。見なかったことにしてやる｣

｢あ、ありがとうございます！｣

｢よし、お前ら行くぞ｣

『はい。じゃあね、オソマちゃん』

谷垣さんとすれ違うとき、尾形上等兵は何か彼に聞いていたようだった。まあどっちみち、このあと彼は殺されるのだ。私の知ったこっちゃない。

村を出て山から谷垣さんのいる民家を監視する。
特に変わった様子はなかった。

『谷垣さん、随分と馴染んでましたね』

｢羨ましいのか？｣

『やめてください。私はあなたといます。』

｢それでこそ俺のAだ。｣