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27 F ページ27

急に隣に座っていた北山がテーブルに頭をぶつけそうになったのを、寸前で止めることができて、支える。次の瞬間に聞こえてきたのは、寝息。
気を失ったのか何があったのか心配したのも束の間、寝息だった。


・・・やっと逢えた。
何よりも嬉しかったあの日。


お前の隣には玉森がいた。


この5年間・・・オレ達には空白の時間があって。
玉森と北山には空白の時間なんてない。そんなことがひと目でわかる、再会だった。


本当は、誰かなんて。もちろん分かっていたのに。


久しぶりに会った玉森の瞳は敵対心で溢れていた。


宏光にはもう心に決めた人がいる。


あの約束だって。一方的なものだった。紙切れひとつで人の気持ちを繋いでいられるほど簡単じゃない。答えも聞いてないんだから。一方的に告げた…約束だった。

だから、北山が待っててくれていなくても仕方がない。分かってはいるのに、身体が言うことを聞いてくれない。

もっと、欲しくなる。人のモノだと分かっていても。


だから、キスだって身体が勝手に動いてた。
そんなキスを北山は初めてだと言う。


その言葉に偽りは見えなくて。よく分からなくなる。


隣にいられる。やっと戻ってこられた。
それだけで充分すぎるぐらいなのに。
そばにいたら、欲しくなる。


北山のすべてが。


「・・・つーか。酒臭い?」
「え!?そんな!アルコールなんて頼んでないよ!ミツ、ずっと烏龍茶だったじゃん!何杯も何杯も。」
「・・・ニカ。これ......」
「うえっ!烏龍茶じゃない!なにこれ!」
「伝票は?」


そんなことを思い出してると3人トリオのコントみたいに目の前の3人が話していた。


健永が北山の飲んでた烏龍茶のジョッキを手に持ち匂いを嗅いで、高嗣がそのジョッキに口付けると、吐き出す。割と動じないタマが伝票を見るように促していた。


「・・・烏龍茶じゃなくて、ウーロンハイになってる。しかもこの人5杯くらい飲んでる」
「・・・よくもまぁ。気付かずに」
「ってか、店員さんダメじゃん。」
「・・・なぁ。まぁ運転はしないし?」
「まだ未成年でしょ」
「もう今年ハタチだけど」
「ずらかるか。」

ため息を吐きながら、玉森が立ち上がる。
掘りごたつの個室なため、高嗣と健永の後ろを通りこちら側へやってきた。


「ごめんね。ガヤ、迷惑かけて。」


北山を当たり前のように担ごうとしてる。


「ミツ〜もう。ガヤ、ごめん。乗せてくれる?」


タマはこちらに目配せをして背中を向けた。

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もも(プロフ) - ひーさん» ひーさん こんばんは!ありがとうございます!昨日の約束ご覧頂き感想まで頂き嬉しいです。泣いてくださったんですか!?ありがとうございます(/ω\)ほんの些細なことからすれ違ってしまった二人ですがラブラブになり良かったです。こちらこそありがとうございました! (2018年6月25日 19時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - こんばんは!「昨日の約束」凄く素敵でした!!2人がなんでこんなに結ばれないのか、、、みっくんの気持ちを考えるとなんだか泣けてきて、、、でも、2人の気持ちが繋がった時になんだか更に泣けてきて、、、ほんと楽しく読ませて頂きました!!ありがとうございました! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 4d3a8a875d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - puuさん» puu様ありがとうございます!なんとか完結致しました!イチャラブエンドに出来てましたでしょうか。次回作も是非ご覧頂けると嬉しいです。 (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結おめでとうございます!玉さんとの約束も守りつつの藤北いちゃラブエンドで読んでて幸せでした!!おまけもあったけど、まだ続きが読みたいです!!次作の北さんに甘い藤さんも楽しみにしております。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: a8da905861 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ともさん» とも様 いつもご覧いただきありがとうございます!更新を楽しみにしていただき嬉しいです。ただ、申し訳ございません( .. )リクエストはお応えできる自信がないです。もしよろしければこんな作者ですがこれからも宜しくお願いします<(_ _)> (2018年5月12日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2018年5月3日 9時

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