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藤ヶ谷は新入生の合宿に行ったのか、あれから隣の部屋の気配はなかった。
それか、彼女の家に入り浸っているか。
あの日、玉森の部屋に帰ると玉森の両親は温かく迎えてくれた。
夜通し、2人でゲームをして、その合間に玉森は手をぎゅっと優しく繋いでくる。そんな玉森にほだされて、笑うことしかできなかった。
それ以上は求められることもなく、どこか安心している自分がいた。
この時期の合宿ならば、いよいよ本当に同じ学部な気がしてきて。入学式の時間帯も考慮すると同じ理工学部というのは濃厚だった。
それならば、一年生も履修できる講義をいくつかだけ取得しようと、履修を決めた。
玉森は既にその履修を一年次にとっていたから、一緒に出ることができない単位がひとつある。
その他は殆ど玉森と合わせて、履修登録をした。
二階堂なんかには、"どこまで夫婦なの"とツッコまれる。少し前の俺なら、流すとこだが、玉森の気持ちを知ってしまった以上、今それを流すこともできず・・・苦笑いをしてしまう。そんな俺の態度に二階堂は心底驚いていた。
藤ヶ谷とまた講義を・・・授業を受けたい。
そう思っていた大きな講義室で行う授業が始まった5月。合同授業は部屋が大きい。
何段もある段差。
ひとりで受ける講義。
藤ヶ谷がもしかしているんじゃないかと、大きなホールを一周する。
早く来すぎたかもしれない。
人自体も疎らに散らばっている。
出入り口が見やすい場所に陣取る。
藤ヶ谷はくるのだろうか。
やっぱり一年生が多い気がして、少し居心地が悪い。
すると、ザワザワと出入り口に向かって後ろの女子が騒ぎ出す。この学部は殆どが男子だから、女子の声は少し目立つ。
「あ、あのグループ。藤ヶ谷くんもこの講義とってたんだね〜」
「ラッキー!今日も眩しいわ〜」
え、?"藤ヶ谷"の名前が聞こえてきて、出入り口に目を凝らす。ってか、もう女子に目をつけられてんじゃん。あいつ。
その女子の言う通り。
男子5人ほど、女子2人ほどのグループが入ってきた。その女子のひとりは、あの女の子だった。
やばい。テンション下がる・・・
楽しそうに、笑ってる。
藤ヶ谷も楽しそう。
藤ヶ谷はもちろんこちらを見ることなく、
俺から離れた席へと向かい座ってしまった。
藤ヶ谷の隣りにはあの女の子が座る。
「・・・あーあ。あの子と藤ヶ谷くんやっぱり付き合ってるのかな」
「悔しいけど、お似合いだよね」
後ろの女子が話し出す。
・・・うるさいよ。
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もも(プロフ) - ひーさん» ひーさん こんばんは!ありがとうございます!昨日の約束ご覧頂き感想まで頂き嬉しいです。泣いてくださったんですか!?ありがとうございます(/ω\)ほんの些細なことからすれ違ってしまった二人ですがラブラブになり良かったです。こちらこそありがとうございました! (2018年6月25日 19時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - こんばんは!「昨日の約束」凄く素敵でした!!2人がなんでこんなに結ばれないのか、、、みっくんの気持ちを考えるとなんだか泣けてきて、、、でも、2人の気持ちが繋がった時になんだか更に泣けてきて、、、ほんと楽しく読ませて頂きました!!ありがとうございました! (2018年6月24日 22時) (レス) id: 4d3a8a875d (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - puuさん» puu様ありがとうございます!なんとか完結致しました!イチャラブエンドに出来てましたでしょうか。次回作も是非ご覧頂けると嬉しいです。 (2018年5月16日 0時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結おめでとうございます!玉さんとの約束も守りつつの藤北いちゃラブエンドで読んでて幸せでした!!おまけもあったけど、まだ続きが読みたいです!!次作の北さんに甘い藤さんも楽しみにしております。 (2018年5月15日 23時) (レス) id: a8da905861 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ともさん» とも様 いつもご覧いただきありがとうございます!更新を楽しみにしていただき嬉しいです。ただ、申し訳ございません( .. )リクエストはお応えできる自信がないです。もしよろしければこんな作者ですがこれからも宜しくお願いします<(_ _)> (2018年5月12日 20時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年5月3日 9時