「僕の事はユキって呼んでくれよ」 ページ10
「君が保証しても信用ならないね。誰が僕を保護するのかが分からない」
「無論俺だ」
「！」
「見るからに問題児なお前を他人に押し付けられるか。一度出した手を引っ込めるつもりは無い」
「はは〜ん、そう言って下心では僕の更生を考えてるんだろ？」
正直衣食住が今までより豊かになるのは吝かではない。利用出来るものを利用したいのは当然だ。
ただし、やっぱり賢いヒーロー。しっかり代償は付いてくる。幾分かレベルアップした生活を送る代わりに、監視という足枷が着けられるって寸法か。これじゃ下心が分かった所でこの人を引き下がらせる材料にはなりゃしない。
多分逃げてもこの人は僕を追い続ける。顔も服装も覚えられたしな〜、危険視もされちゃっただろうし。どっちにしろ面倒な事に変わりはないと思うんだよね。
「生憎僕は、自分のやってる事が間違いだとは思ってないよ」
「顔を見りゃ分かる」
「多分君の方がデメリットは大きいはず。そして利益が少ない」
「俺は損得の大きさで仕事を選んでる訳じゃない」
「ふーん……？ほんとかな〜」
その正義、ウソだったら爆笑もんだね。その未来に賭けてみようかな。この人が家に居ない間にいつも通りの事をやって、いつそれに気付いて僕を追い出すか……面白そうだ。
〈───！〉
〈っ、──……！〉
「……いいよ、条件を飲もう」
「逃げるなよ」
「刑務所とか公安ってとこよりかは百倍はマシだろうし。僕の読みが外れない限りは大人しくする」
「決まりだな。……お前、本名は」
「君は？」
「……相澤消太だ」
「OKショータ。僕の事はユキって呼んでくれよ」
「急に先生みたいな事を言い出すね」→←「脳が足りてねーんだよヒーロー」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年8月17日 12時
