今日:31 hit、昨日:19 hit、合計:40,034 hit
小｜中｜大
No.116 ページ16
ひとしきり話終えた川波さんに、
どうして、と俺は尋ねた。
どうして、そこまでしたのかと。
川波さんは笑って答えた。
「私の恋が叶わないならせめて好きな人だけでも報われてほしいじゃん。
だから、
……私が目黒くんに告白した日、向井を焚き付けた。
そして、目黒くんと木ノ下さんがすれ違うように仕向けたの。
――我ながら最低だと思うよ。
でも、後悔はしてない。
……私は、向井が好きだから、
好きな人のためにここまでできて、
悲しみよりも嬉しさが勝ってるよ」
「………それ、
本気で言ってるの？」
俺は冷めた声で問いかける。
川波さんは
びくりと体を震わせた。
――ここ１ヶ月、
名ばかりの彼女だったけれど分かったこともある。
……川波さんはとても一途で、不器用で、
そして物凄い意地っ張りだってこと。
放っておけないのは同じく意地っ張りな木ノ下さんに少し似ているからだろうか。
「自分がどんな顔をしてるか分かってる？
――もう、泣きそうだよ」
俺の言葉に、川波さんは手で顔を覆う。
「本当は、
……嫌でしょ？
好きな人が違う人と付き合うなんて、
耐えられるわけないよ」
「――嘘じゃない！
応援したい気持ちに、嘘はないよ」
じゃあ、と俺は告げた。
ふっと微笑む。
「……それでも好きなんだね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちご | 作成日時：2020年2月15日 18時
