腹が減っては何とやら ページ8
｢君の右腕は連れていかないの？意外だね｣
ハンジが不思議そうな顔をこちらに向ける。
右腕とは、ナルのことだ。
私の分隊の副長を務めている。
｢ナルにはアリスのサポートをさせたいから。アリス班の副班長にしてくれないかな。問題ない？エルヴィン｣
｢あぁ。もちろんだ。けれど、君は困らないのか？｣
｢若干心細くはあるかも。でも、あの子は私の右腕じゃない。誰の右腕にもなり得るんだ。今回はアリスに付けるだけの事だよ｣
｢お前よりアリスと組んだ方が上手くいったりしてな｣
｢それは寂しい…｣
リヴァイの言葉に私が肩を落とすと、リヴァイは軽く口角を上げて笑った。
｢リヴァイはホントにAをからかうのが好きだねぇ｣
｢からかわれ続けて何年経つかわからないよ…｣
｢そう言うお前はからかわれてるコイツを見るのが好きだよな、メガネ野郎｣
｢ハンジ…？｣
｢いや誤解だよA！ただちょこっと面白いけど…それは君の人間性が面白いんであってからかわれてる君を笑ってる訳ではなくてね！？｣
｢ハンジちょっと動かないでね…正確に君のメガネを壊したいから…｣
｢誤解だって！ミケ助けて！！｣
｢俺に掴まるな！｣
｢ハッハッハ、みんないつも通りだなぁ。元気そうで何よりだよ｣
｢エルヴィン。お前はこういう状況が好きだよな｣
｢そうだな。楽しそうで好きだ。みんなで飯を食ってる時もこんな気分だよ｣
｢あぁ。そうだな。怪我しそうになったら止めに入るか｣
｢もうハンジはちょっと怪我してないか？｣
｢あ？あれくらい怪我のうちに入らねぇだろ｣
｢A、もうそのくらいにしてやってくれ。そろそろ夕食の時間だ。仲直りしなさい｣
エルヴィンの諭す声に呼応するように、キャンドルランプの光が揺れた。
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作者名：ぽんぽた | 作成日時：2024年2月1日 14時
