大問題 ページ22
｢物によって意味が違うってのはどういう事だ｣
｢どういう事って…あー、何だっけ……あ、例えば、マシュマロには『あなたの事が嫌い』って意味が込められてるとか｣
｢お前、キャンディーの意味は知ってるか｣
｢キャンディー貰ったんですか？｣
｢答えろ｣
｢いやぁ、何だったかな…｣
｢じゃあドーナツは｣
｢すいません詳しいわけじゃないので…そんな詰めないで…｣
｢知らねぇか…｣
｢すいません、俺これから訓練所に行くんですけど…｣
｢…すまん。時間を取らせた｣
廊下ですれ違いざまにとっ捕まえたオルオを解放すると、こちらを気にしながら廊下を歩いて行った。
にしても、あの話題はあまりにタイムリーすぎる。
と言うより、Aの持ってくるタイミングが悪い。
ハンジやAが協力して俺の反応を見て遊んでいるならまだしも、オルオをそこに巻き込むとは考えにくい。
『ただいつもの感謝をね』
『大切な人と食べるといいって言ってたから、君にあげるよ』
『これはほんの気持ちだけど、これからもよろしく』
20分前の会話が思い出される。
アイツの事だから、いつもの気まぐれにオルオの話が偶然重なったというのが可能性としては高いが、そこに意味があるとしたら。
Aはエルヴィンと中央政府へ行っていた。
もしや、Aとエルヴィンの行動が中央に目をつけられている？
それに気がついて、これで俺に何か公然の場では言えない事を、この菓子にある意味で伝えようとしている？
もしそうだとしたらこれを解読出来ないのは今後の組織としての行動に関わってくる大問題だ。
俺は意味を解読するべく、資料室へと向かった。
｢……無ぇ…｣
端から端まで、歴史やら戦略やら巨人の研究結果やら何やら…
消え物のプレゼントに関する資料なんて、こんな所にある訳は無い。
わかってはいたが、これはまずい事態だ。
｢リヴァイ？何してるのこんな所で。珍しいじゃないか｣
棚と棚の隙間をロウソク立てを持って歩いてきたのはハンジだった。
いい所に来た。
｢ハンジ、お前はここの蔵書には詳しいか｣
｢そりゃあ勿論！ここに入り浸ってるからね｣
｢消え物のプレゼントに意味があるという話は知ってるか？｣
｢あ〜…何かどっかで…｣
｢ここに、それに関わる文献がないか探してる｣
｢それに関わる文献…！？ここでは見た事ないな…｣
｢…そうか、他を当たる｣
｢あ〜……あ、ちょっと待って！思い出した！｣
｢あ？｣
｢その話、自分の本で読んだんだ！｣
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作者名：ぽんぽた | 作成日時：2024年2月1日 14時
