第五章 ページ44
大我
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大我「それでね!!樹さんって普段すっごい偉そうなのに!北斗さんの時になると必死なの…!!」
大我「それで、この間宮舘さんが作ってくれた料理がね…!!」
大我「それで、俺いきなり樹さんに処刑って言われて!!びっくり!!」
佐久間『にゃはっ!そうなんだ〜』
幸せ。それ以外の言葉は必要なかった。
両親が亡くなったことも、近況も、友達が少ない俺は誰にもはなせなかったから
これだけ肩を落として会話なんてさっくんくらいだ
相手が鬼であろうと、優しく笑ってくれることは変わらなかった。
佐久間『大我は怖くないの?』
大我「え?」
佐久間『俺、鬼なんだよ』
大我「…さっくん、本当は優しいから」
佐久間『そんなに信じてくれてるの?鬼なのに』
大我「うーんでも、俺の話笑ってくれた!根拠はないけど…俺にはさっくん、斬れないよ」
佐久間『……大我って、北斗とかに鈍臭いって言われない?』
大我「…え?……っ…!!!!」
佐久間『幼馴染とか、関係ないの。鬼と人間の間は0距離じゃないんだ』
体にチクッとした痛みが走った。
佐久間『樹の憑依。無駄にしちゃだめだよ』
体が熱くなって、漲っていたような力が抜けた。
多分、俺の体から抜けたのは樹さんの力。
体が少し冷たくなり重くなったから直ぐにわかった。
大我「さ…っくん…」
佐久間『…眠れよ』
ニヤリと不気味に笑うさっくんは恐ろしかった。
ドロドロした何かが頭の中に流れて俺の体は凍ったように動かなくなった。
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"お前、足でまといなんだよ"
"お前の父親と母親が死んだのは、お前が弱いから"
"きょも、ぶっちゃけめんどくさいよ"
"お前さえ居なければ、両親は死ななかった"
"京本くん。そんな弱いと
北斗はあなたを見捨ててしまいますよ"
ハッキリとしないモヤッとした顔が俺の心をズタズタに…
キーーーーーーーン
大我「……ここ、…家、?」
ふと目を開けると刀を研ぐ父親。
ご飯を作る母親がいた。
大我「……なんで、?っ、刀…!!」
母「大我、もうすぐご飯できるわよ」
ふと向けられた母親の笑顔は涙がでるほど胸に染みた。
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15Mayuu(プロフ) - お話続けてくださりありがとうございます!ほくじゅりの幼少期のお話を読んでみたいです!また、樹君を庇って北斗君が怪我してしまったりと、、是非よろしくお願いします! (2021年2月3日 22時) (レス) id: ea80b7409d (このIDを非表示/違反報告)
しずく - 1番が見てみたいです。すごく面白いのでこれからも続けてほしいです。 (2021年1月30日 8時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
さな - この作品、すごく好きなので続けて頂きたいです (2021年1月29日 23時) (レス) id: 4edeae3903 (このIDを非表示/違反報告)
さな - いつも楽しみに見ています!私は、2番を見てみたいです! (2021年1月29日 23時) (レス) id: 4edeae3903 (このIDを非表示/違反報告)
ほく - 作者さんが仰ってる5つのストーリーなら私は1番が好みです!もしよかったらまた書く機会があれば書いていただきたいです! (2021年1月29日 23時) (レス) id: f8b4be04d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2021年1月21日 20時