【中原中也】猫被り彼氏をぶん殴る。【文スト】

♪♪リンゴ♪♪様リク番外 狙われない理由 ページ32

＿＿＿或る日、喫茶猫又。

私は、お客が来ないのをいいことに、お気に入りの古書を片手に珈琲を啜っていた。

と、不意に扉の外に人の気配を感じる。





からんからん






『いらっしゃいませー……お客様、じゃないね』






「おやおや、随分と態度の悪い店長様じゃねぇか。ええ？」





「でも見ろよ、なかなかの上玉だぜ
流石マフィア幹部サマの女だなぁ」





じゃき、と銃口を向けられて、仕方なく古書を閉じる。ガタイのいい(つーかデカいだけで腹の出た)褐色の肌の男と、にまにまと気持ち悪い笑みを浮かべる貧弱男。その他モブが数名。






(めんっっっどくせー……)






舐めるような視線が気持ち悪い。お前ら其れが許されるのはヤンデレイケメンだけだからな！！！







「なんだ、ビビってねぇのか？」






「莫迦、怖くて動けねーんだろ？

大丈夫だよ、別に殺しゃしねぇ。ちぃと付いてきてえ貰いたいだけなんだわ」






ビビって動けねえなら担いでやろうか？と距離を詰めてくるデブ黒男。端的に云おう、寄るな死ね。

どうせ中原中也の彼女だから人質に最適と思ったンだろうけど……






『命知らずの大莫迦野郎だな』






「あ？何か云ったか？」






『いいえ何でも
……で？付いてく積もり無いっつったら？』







「手足の一二本ぶっ壊して連れてくさ」






『………はいはい、わかりました付いて行きますよ』






「それで善い、物わかりの良い女は嫌いじゃねぇ」






キモい死ね。
そう思いながら、諸手を挙げて後ろをついていく。周囲をモブで固められ、銃口を向けられて。まるで罪人のような気分だ。




面倒くさいなぁ、なんて思いながら車に押し込まれ、手足を縛られて口をガムテで塞がれた。

外から見えないよう座席の下に蹲らせられる。きったな！！！！最悪！！！！！






『ん"ん"ん"ん"ん"！！(汚い椅子に座らせろ！！)』






「今更暴れたってもう遅ぇよ、諦めなネーチャン」






煩ぇお前ら悠々と椅子に座ってんじゃねえ！！！せめて私と同じところまで落ちてこい！！！！


どんだけ抗議しても届く気配がない(しかも暴れてると思って余計に優越感与えただけだった)ので、
諦めて車の振動を感じながらカウントを始めた。






(……さーて、今日は何分かな)






此奴ら雑魚臭半端ないから記録更新されるかもな、なんて思いながら、私は目を閉じた。

終わり ログインすれば
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