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「ベクはさ、私の血がないとどうなるの?」



少しの好奇心から聞いてみた。



BH「他の女の血吸っても生きることは出来るけど、俺はお前のじゃねえと吸いたくねえな。」



…身体中の細胞が騒ぎたてている。



これはたぶん、嬉しいって気持ち。



「…そう。じゃあ私に感謝してね。」



でも素直にこの気持ちを認めてしまったら、自分が自分でなくなる以前に人として疎外される気がした。



BH「ん、ありがと。」



思ってもみない言葉を軽々と口にして、また舌を這わせたベクの頭を撫でる。



もしかしたら、依存してるのは私なのかもしれない。



私は憂鬱な気持ちに蓋をするように、ベクの舌先の感触に集中した。



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ベクと出会ってから二週間は経っただろうか。



ずっとこの館から出ていないから、当然講義には出ていないしバイトは無断で休んでる。



我ながら最低なことをしていると思っているけれど、どんどん怠惰になっていく頭で自分に言い訳をして正当化した。



隣のベクに目をやると、ベクも読んでいた本から目を離して私の方を見つめる。



BH「なに、A。」



「…ベクが私と出会う前の話聞きたい。」



…前は元天使、とか何とか言ってたけど。



でもベクが人間の食事を口にするところは見てないし、私の血だけで生きてるとこを見ると信ぴょう性がない訳では無い。



BH「言っても信じんのかよ?まあいいや。俺元々天使だったってのは言ったよな。」



…やっぱりそこは事実なのかな。



ベクは本に栞を挟むと話を続けた。



BH「天使の仕事は天界から人間を見守る事なんだけど、そこでお前の事見つけた。で、一目惚れしたんだよ、笑えるけど。」



ベクは昔を思い出すように遠くを見て、乾いた笑いを零した。



…なんて言ったらいいんだろう、嬉しいけど恥ずかしい。



BH「当然だけど天使が人間に恋するなんて許される訳なくて、あっさり天界追放された。それが最初に言った"犯してはならない罪"ね。」



あぁ、出会った時にそんなことを言っていた気がする。



「でもどうして血を吸わなきゃいけないの?天使って血吸わないでしょ。」



BH「天使に遺伝とかあるのかわかんねえけど、なんか吸血鬼の遺伝が残ってるらしくて、俺。それが堕天使になった時に表面化したらしい。」



他人事みたいに呟いたベクはつまらなさそうに指先をいじっている。



…吸血鬼の遺伝の残った堕天使、か。



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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時

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