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CY「…誰に言われたの?」



「え、」



オッパの部屋に移動して、捕虜の解放の事を言ってみたらすかさずこうだ。



いつも優しいオッパの目の奥が笑ってない。



「誰にも言われてないよ、私が考えたの!」



少し動揺してしまったけれど、なるべく平静を装って答える。



お願い、それ以上聞かないで。



でも勘と頭の良いオッパなら、気付いてしまうのも時間の問題かも知れない。



…オッパ、見逃して。



CY「…誰にも言ってなかったけど、この前のパーティで宮殿に忍び込んだ奴を見たんだよね。」



遠くを見て、低い声で呟いた。



自分の心臓の音がやけに大きく、早く聴こえる。



緊張感からか呼吸が浅くなって、冷や汗が流れそう。



「…そうなんだ。大丈夫だった?」



CY「大丈夫も何も、僕の可愛い妹をおかしくさせたんだよ?今頃"空の上で"僕らの事を見てるんじゃない?」



嘘みたいに、綺麗に口角をあげた。



目の奥は優しくて、幸せを噛み締めているよう。



私は息がうまく吸えなくて、手の震えを止められそうになかった。



CY「………なーんてね?」



屈託のない笑顔。



糸が切れたみたいに緊張が解けた私は、今すぐこの場から立ち去りたい欲に駆られる。



「っ、オッパ、」



CY「うん、もう行きな?ちょっとからかい過ぎたから、お詫びにお父様には言っておくから。」



深呼吸をして息を整えて、オッパの部屋を後にした。



優しいのか残酷なのか、よくわからない。



だけど、たぶん人の上に立つ者としての振る舞いとしては、これが最善なんだろう。



上手く踊らされて、結局は心を許してしまうような態度が。



…あの笑顔には、誰にも勝てない。



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一人で部屋にこもってギョンスの事を考えていた。



あのチャニョリオッパの態度は、きっと私を試している。



私が裏切り者なのか、そうじゃないのか。



だって、ただ王族として産まれただけでこんなにも贅沢に生きてるのに。



裏切りたくてそうしてるんじゃなくて、ギョンスの事を考えると自然とそうなってしまう。



この窮屈なドレスも、馬鹿みたいな見栄も。



地位も立場も権力も全部投げ捨てて、まっさらな状態でギョンスと出会っていたら。



どうしてこんなにも胸が苦しいんだろう。



ふかふかの太陽の匂いが染み付いたベッドに飛び込む。



溢れる熱いものは誰にも気付かれないように。



声を殺して泣いた。



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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時

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