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いつもなら召使いが居るから大丈夫だったけれど、さっきはデートだったからジョンイン王子以外誰も居なかった。
それに、道なんて知らないし外も暗くなってきた。
ドレスだと目立つし、戦争で国民は言わないだけで王族の事をよく思っていない。
知らない場所で一人なんて、危険極まりない。
どうにかして帰らないと。
ぐるぐると考えを張り巡らせていると、聞き覚えのある声がすぐ近くで響いた。
DO「偽善者ぶった後は恋愛ごっこ？姫様は忙しいね。」
暗いから良く見えないけれど、間違いなくギョンスの声だ。
「ギョンス！どこにいるの？」
音もしないし、明かりもないから手探りで探す。
「っわ、」
真っ暗の中歩きにくいヒールで探したのがバカだった。
道にあった大きな石に躓いて、その場に倒れ込む。
「いった…、」
手のひらは擦りむいたのか痛いし、ドレスも解れて上手く立ち上がれない。
DO「…はぁ。Aって間抜けだね。ほら立って。」
手を握り肩を支えられて、何とか立ち上がる。
憎まれ口を叩くけど、ギョンスはやっぱり優しい。
「ありがとう。ギョンスって優しいね。」
DO「…バカな事言わないで。頭までお花畑なんだね。あんまり油断してると痛い目見るよ。」
暗い夜道を歩きながら、ギョンスは静かに言った。
今私が頼れるのはギョンスだけだけれど、不思議と不安な気持ちにはならなかった。
「私はギョンスが酷いことを出来る人だと思えないな。」
DO「…忘れたの？僕が敵兵だって事。必要であれば何でもするよ。例えば、こういう事もね。」
いきなりギョンスは立ち止まって、私を向き合わせた。
後頭部に手が添えられた頃にはもう遅くて、唇に柔らかい感触が襲いかかる。
「っ、」
なかなか離れないギョンスの柔らかい唇に、初めての感覚が私の頭を埋め尽くす。
いくら暗いとは言え至近距離になってしまえば、ギョンスの大きな瞳が私を捉えている事が分かってしまう。
全てを見透かすような独特な瞳に吸い込まれてしまいそうだった。
「っ、はぁ、」
DO「…わかったらもう行って。みんなAの事を探してるよ。」
ばっと視界が開けた時には、目の前に宮殿があって私が戻れた事を意味していた。
…本当だ、みんな私のことを探してる。
「ギョンス、ありがとう…、」
振り返っても誰もいない。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…！！今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした！！これからも応援しています！ (2020年3月24日 16時) (
レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください！ (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nel_ | 作成日時：2020年2月2日 1時
