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だって、ミンソク先輩のそんな熱っぽい視線なんてわからない。
大きな猫目でじっと見つめられると、捕らわれて逃げられない。
それが私に向けられたものだなんて、全くもって信じられない。
「いや…、」
私の両腕をミンソク先輩の大きな手でひとまとめにすると、無理やり頬に手を当てて視線を逸らせないようにさせられる。
MS「最初は見てるだけだった。経理部で一生懸命やってて可愛いなって思ってた。でも一度怒られて凹んでる顔を見たら、もっと好きになって…。」
噛み締めるように思い出す姿に、さらに恐怖が襲ってくる。
MS「それで社長の弱みを握って部署異動させた。Aには残念だけど異動する理由が無かったから、全体ですれば怪しまれないと思って。」
MS「それからジュンミョニに協力してもらって、私生活も見させてもらった。A、何も気付かないんだもん、笑える。」
ぐっと手首を抑える力が強くなって、呼吸もどんどん浅くなって平気じゃいられなくなりそう。
気持ち悪い…、おかしい、間違ってる。
MS「Aが信じてたジュンミョニも案外すぐ寝返った。二人だけでAを大切にしようって言ったらな。でも俺の知らないところでAと付き合ってたのはズルいよなあ。お前もお前で了承するしさ。」
つまらなそうに呟いて冷たい目線で私を見下ろしたかと思うと、ばっと私に覆いかぶさって唇を重ね合わせる。
「ん、っ…、いや…、」
抵抗しようとしてもミンソク先輩は侵入する事をやめてくれない。
MS「噛むなよ、」
上手く力が入らない。
MS「でもそれじゃ満足出来なくなって、もう抑えられなくなった。俺たち結ばれたんだし、明日からどこか海外に逃げるぞ。ジュンミョニと共有なんて絶対無理。俺だけのAだから。」
ミンソク先輩の目は虚ろで、もう何が映っているのすらわからない。
MS「A、好き、愛してる…、愛してる、愛してる愛してる」
ただ呪文のようにぶつぶつと呟く姿に、狂気しか感じなかった。
唇から頬、耳、どんどん身体の下の方に唇をつけて吸って、印をつけていく。
「っ、やだ…っ、」
MS「…残念。これから一生この痕は消させてやらない。」
MS「好きな子に厳しくして意地悪するのも好きだけど、やっぱりこれからは今まで意地悪した分たくさん愛してやる。」
fin.
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時