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セフニは誰と比べていたんだろう。



ぐるぐると考えてもわからないことだらけだった。



このまま何も知らないまま、幸せだと思い込んでセフニと過ごす事を選んだ方がいいのだろうか。



私は再び目を瞑った。



目の裏に浮かぶのは悲しそうな顔をしたチャニョルさん。



「…チャニョル、さん…。」



無意識のうちに流れた涙と、口から零れた名前。



SE「ヌナ。…思い出したの?」



「…何を?」



SE「…なら、良かった。」



確信してしまった。



セフニが隠してる事と、チャニョルさんとの関係。



気付かないフリなんて出来ない。



お願いだから、この仮定が私の思い違いでありますように。



.



逃げ出すことを決めた。



とは言っても、一人で逃げようとするほど馬鹿じゃない。



…ごめんね、セフナ。



一度だけ吐く嘘を許してね。



貴方が吐いてる大きな嘘に比べれば、私の嘘なんて可愛いものでしょう。



キラキラ輝く満月はセフニみたいに綺麗だけれど、私は明るく照らす太陽が好きみたいだ。



ひとつ、深く深呼吸をして覚悟を決める。



「っ…、セフナ、助けて…、」



私はその場に倒れ込んだ。



自分でもびっくりするくらいの迫真の演技。



誰がどう見ても心配するように、私が正常じゃない様に欺くんだ。



SE「ヌナ!?どうしたのっ、大丈夫!?」



急いで駆け寄ってきた彼に疑いの色なんて無いようだった。



…安堵と少しの罪悪感。



「っはぁ、ぁ…、救急車、…っ、」



息を荒らげて涙を流せば、呼ばないなんて出来ないだろう。



SE「っ…、でも…、」



何かやましいことがあるから呼びたくないんでしょう。



私は賭けに出た。



「ふっ…、ぅ…、」



ぐったりと彼にもたれかかって、目を瞑って身体を委ねる。



危険な状態だと思い込んでるなら、正しい判断をしないと責められるのは明らか。



SE「…っクソ、」



さすがに保身には走らなかったらしい。



彼はスマホを取り出して病院に連絡している様だった。



…さよなら、セフナ。



私はここには戻れないよ。



SE「ヌナ、起きて…、もうすぐ救急車が来るから…っ、」



泣きながら身体を揺する彼は、どこで間違ってしまったんだろうか。



SE「っ僕、謝るから…、もうヌナが生きていてくれればいいから…、」



ずっと私を想ってくれてた彼は、今はとても小さくてか弱く見えた。



…でも、だからこそ正さないと。



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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時

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