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「ちょ、苦しい!離して!」
私が手足をじたばたさせようものなら、それさえも器用に包み込まれて完全に動けなくなる。
チャニョリは満面の笑みを浮かべてから私にキスをした。
「んっ…、ちょ、」
CY「…ダメだ、朝から止まんなくなりそ。」
熱っぽい視線に嫌な感じなんて一切しなくて、それどころか嬉しいとさえ感じた。
CY「あーでももう出勤しないとだから…、今日終わってから会える?」
「うん、もちろん。」
その間もチャニョリは私の腰を離さない。
CY「よし、じゃあ今日頑張ってご褒美にAを貰お!」
また眩しいくらいに笑って口付けを交わした。
CY「…結婚式が待ち遠しいよ。俺も子育て頑張るから。」
「まだ赤ちゃん居ないのに気が早いんだから。…でも、ありがとう。」
心から幸せだ。
本当に、私は世界で一番の幸せ者だ。
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SE「A、おはよう。」
「…セフニ…。」
あの夢は一体なんだったんだろう。
それに、この違和感は?
SE「起きれる?朝ごはんの準備するから待っててね。」
「…ありがとう、」
私はセフニが部屋から出て行ったのを確認して、さっきの夢を日記に記した。
思い出すと自然に笑顔になっていくのが自分でもわかる。
…セフニとの生活だって幸せだし、何か嫌なことがある訳では無い。
でもこの夢で感じた事は、初めて心から湧き出た感情なんだと思えた。
…セフニ、夢を見るくらい許してね。
ただの会社の同僚だったチャニョルさんとこんな夢を見てしまうなんて、ダメだとわかっているけれど。
私は日記を閉じ、部屋を後にした。
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それからしばらくはコテージでのんびり過ごしていた。
時間がゆっくりと流れて、セフニは私のために献身的になってくれる。
毎食後の薬は少し嫌だけど、早く治る為だから仕方ない。
…不思議で幸せな夢は毎日見る。
会社だったり、恐らく以前住んでいた家だったりで私は幸せそうに笑ってる。
隣には、必ずチャニョルさんが居た。
どうしてか分からないけれど、悪い気持ちにはならなかった。
…でも、このままでいいのだろうか。
毎日こんな夢を見てたらセフニに申し訳ないし、何より知りたい。
チャニョルさんは本当にただの同僚だったのか。
セフニのことを疑ってる訳じゃないけど、自分の目で確かめたいんだ。
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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時