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「あの、ここはどこで貴方は誰ですか!」



まだ状況は理解出来ていないけれど、よく考えたらいきなり噛みつかれて誘拐されたって事でいいのよね?



…立派な犯罪だ、何とかして逃げないと。



「…そんなに睨むなよ。俺はベクヒョン。ベクって呼んで。」



こんな得体の知れない男と仲良くなんてやってられない。



「ここから出して!私こんな所で死ぬのは嫌!」



BH「は?なんか勘違いしてない?ちょっと血を頂いたら気を失ったから介抱してやったのに。」



血を頂いた?介抱してやった?



彼の言っている意味がわからない。



BH「訳わかんないって顔してるな。んー、どこから説明するかな。」



頭をかいて考える仕草をしたベク…ヒョンさん――もうベクでいいや――は、しばらくすると口を開いた。



BH「信じられないと思うけど、俺天使だったんだよね。でも絶対に犯してはならない罪を犯して人間界に落ちた。しかも血を吸わないと生きてけないっていう最悪のオプション付きで。」



軽い冗談でも言うみたいにニコニコ笑いながら言い放った。



誰がそんな話を信じるのだろうか。



私はバカバカしくなって、彼に殺意が無いことを確認したのでさっさと帰ることにした。



「…そうですか。では、さようなら。」



もう関わりのない人の嘘なんて、問い詰めた所で時間の無駄だ。



BH「お前こんな真夜中に帰んの?てかここが何処かわかってる?」



「外に出れば大体の場所はわかります。退いてください。」



彼はボロボロだったし車なんて持ってなさそうだから、大人の女性を運んでそう遠くまで連れてこれないはず。



私は部屋のドアを開けて、思いのほか立派な館を進んで玄関に向かった。



…それにしてもうちの近所にこんな立派な館あったかな。



とりあえず玄関の大きな扉を開けて外に目線を散らす。



「…嘘。」



私の目の前に広がっているのは、辺り一面が深い闇に覆われた森だった。



住宅どころか、人工的な明かりひとつ無い。



私があまりのことに突っ立っていると、後ろから肩を叩かれてベクの声が響く。



BH「な?もう今日は諦めて寝ろよ。」



…だいたい誰のせいでこんなことになってんのよ。



私は込み上げる怒りにさえ諦めを覚えて、玄関を背にしてさっきの部屋に向かった。



「…寝るから近付かないでね。」



よく考えたら得体の知れない、しかも血を吸うようなバケモノと一夜を過ごすなんて危険極まりないのだ。



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ぼぷぴ(プロフ) - 貴方様が書くお話、本当に面白いです…!!今回のギョンスのお話も最高でした…いろんな意味でドキドキが止まりませんでした!!これからも応援しています! (2020年3月24日 16時) (レス) id: eb25947e96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう。(プロフ) - 1話1話がすごく読み応えがあって面白いです。シウミンさんの物語とスホさんの物語が個人的にすごく好きです。これからも作者さんのペースで更新して頂けるとうれしいです。 (2020年3月17日 3時) (レス) id: 622a208a12 (このIDを非表示/違反報告)
猫わかめ - 今日初めてこの小説を見つけたのですが、とてもハマって一気に読んじゃいました。どれも狂気的で特にセフンくんのは結末に鳥肌がたちました。すごく面白かったです。これからも頑張ってください! (2020年2月27日 1時) (レス) id: d5ef40128c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nel_ | 作成日時:2020年2月2日 1時

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